小説の書き方

小説の書き方でオリジナリティがあると思ってもらえる方法とは?

レベッカ

結局、どんな話を書いてもどこかにある話になっちゃう。
オリジナリティってどうやって出したら良いんだろう……



今回は、そんな悩みを持っている方向けの記事となります。



オリジナリティ、難しいですよね。私もWeb小説を6年書いてきましたが、ここまで常にオリジナリティとの戦いでした。


小説を書くならば、注意しておかなければならない事があります。

たとえば、誰かの作品に心を打たれて、小説を書きたいな、と思うじゃないですか。ところが、そのまま小説を書き殴ってしまうと、コピーコンテンツになってしまう可能性が非常に高いんです。影響を受けるからですね。

当然オリジナルには敵いませんので、劣化コピーとも言えるかもしれません……。

これは自分自身の成長にもあまり繋がりませんし、場合によってはパクりだと言われてしまう可能性もあります。


せっかく頑張って書いたのに、○○のパクリだなどと言われてしまうとショックですよね。

だからといって、この世のどこにもない表現で小説を書くというのは無理に近いですし、書いたとしても結局の所、読者からは求められない可能性が高いです。

では、人の作品からは何を学べば良いのか。

どうやって、オリジナリティを出せば良いのか。

今回は、ここを解説していきます。

結論から先に言うと、人の作品からは内容ではなく構造を抽出する癖を付けるというのが最も有効です。オリジナリティは、見せたいテーマを追求したその先にあります。

何故そうなるのか? ここでは具体例を混じえながら、説明していければと思います。

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小説のオリジナリティが出ない・出せない書き方

本来、勝手に『オリジナリティ』はついてくるもの

そもそも、文章って不思議なもので、書けば書くほど自分の色が濃く出てくるようになっています。

なのでオリジナリティというのは、本来ならばそんなに気にしなくても良い分野なんです。


私もよく「くらげさんの小説はくらげ節ですよね!」と言われますが、正直自分自身ではまるで分かりません。似たような経験をされた事がある方も多いと思います。

改めて人の作品と自分の作品を比べてみると『あー、これは自分の文章だなー』と思う事はあるので、つまりはそういう事なのでしょう。

なお、昔は作品を書くたびに、「この作品は○○に似ている」「この作品は○○のオマージュだ」といった事を、たびたび言われてきました。

オマージュとは?
オマージュ(英語: hommage)は、芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。しばしば「リスペクト」(尊敬、敬意)と同義に用いられる。

なおフランス語の場合は古形のhomage同様、単独では「尊敬、敬意」の意味が一般的。英語に入ったhommageは、単独でも「尊敬を込めた作品」の意味で使われる。

出典:wikipedia


知らない作品の名前が出てくる事も多々……。

Webに小説を公開し始めて6年経ちますが、鍛錬するほどにこういった事は言われなくなってきました。

では、過去と今で一体何が違うのでしょうか?

テーマに対しての追求が甘いと『オリジナリティ不足』が目立つ

ひとつの回答を出します。それは『テーマに対しての作りこみ』です。

「○○の作品に似ている」という意見を多く頂いていた時、私はどういった考え方で、読者がそう感じているのかをしばらく悩んでいました。

しかし、もっと重要な事に気付いたんです。


「……本当に似ているかは大して問題ではなくて、『○○に似ている』なんて思いを読み手に抱かせている事こそが失敗なんじゃないのか?」

これは大事な気付きでした。


というのも、もしも本当に作品を楽しんで読んでいたとするなら、本来こんな感想は抱かないはずなんです。

もしも自分が作っている作品が、そのオマージュ元(だと読者は思っている)作品よりも面白いのであれば、こういった意見は出てこないですよね。

100%ではなくとも、言われる可能性はかなり下がってくるでしょう。


これは少し厳しい意見になってしまうかもしれませんが、つまり……「◯◯の作品に似ている」という意見は、自分の書いている作品が劣っているという、ひとつの証明になってしまっているのです。


では、なぜ他の作品と比べ、劣ってしまうのでしょうか。

それは、自分の追求しようとしている作品に対してのテーマを、まだ追いかけきれていないからです。

ここの部分、もう一つ深掘りして追求していきましょう。

オリジナリティがないのは、『作り込みの浅さ』にあった

そもそも、我々書き手は「世の中にこんな作品があったらいいな」と思い描いてから作品を書き始めるわけで、ある程度オリジナリティのある発想を持つ所から始まる訳なのです。

それが、こうもたやすく他の作品と丸被りする事があるでしょうか? ……いいえ。そうではないはずです。

私も最初は、「世の中には沢山作品があるのだから、ある程度被ってしまう事は仕方がない」と、そう思っていました。


ですが、結論としてこれは、全く違いました。

なぜなら、似たようなテーマと構成のお話を2つ並べても、片方はオリジナリティがないと言われ、片方は言われないという結果を作り出す事に成功したからです。

では、どこにポイントがあったか。

それは、『作り込みの浅さ』です。


よくできている他の作品と比べ、自分の作っている作品の構造がチープで誰にでも真似できるものになってしまっているから、結果として「他の作品と似通っている」という感想を持たれてしまっていました。

実際似ているかどうかは、大して関係ありませんでした。


たとえば、「朝起きるのが辛い」といった問題に対して、誰にでも思い付くところで「では、早く寝ましょう」といった解決策を掲げたところで、読者が満足する回答になっているでしょうか?

そんなはずはありません。そんな事は知っていて、もっと具体的な対策を必要としているはずです。

つまり、こういった事が作品に発生してしまっているのです。


優れた作品はほとんどの場合、同じようなテーマでも話の流れがユニークになるようにできています。

そのユニークさを支えているのは、『テーマに対しての追求』です。

テーマに対しての作りこみが浅いと、エンディングまでのプロセスがチープになるため、結果として「オリジナリティがない」「◯◯のオマージュ」といった感想を引き寄せてしまいます。

それでは、具体的にどうやってテーマを作りこんでいくのか、それを克服していきましょう。

オリジナリティある小説の書き方・方法について

まずは作ろうとしている作品のテーマを分析する

もしかしたら、もう既に作品を書き進めてしまっている最中かもしれません。

その場合は遠慮なく、一度最後まで書いてみるというのも方法の一つです。

何故なら、一度完結まで作品を作ることによって、自分が書いた小説をより客観的に判断することができるようになるからです。


そんな時間はない! と思う方は、一旦筆を置いて、今まで書き進めた所までで構いませんので、物語のプロット・本文をもう一度、読み直してみてください。

そうして、この話は全体として一体何を語ろうとしているのか、どのような問題を解決しようとしているのかを、具体的に紙に書き出してみましょう。

つまり、『テーマを書き出す』ということです。


ここで複数の問題点が出てきてしまう場合は、必ず一つに絞り、それだけを見せていくようにします。

もちろん展開としてはあっても構わないのですが、メインとサブの区別は付けるようにしましょう。

そして、絞り込んだたったひとつのテーマについて、もう一度、以下のように自問自答します。

  • どんな問題(テーマ)を掲げたか?
  • その原因は何か?
  • 解決策はどうするか?


この3つです。まずはこれを、全く迷いなく書ける所まで突き詰めるのが大事です。

望んだテーマに沿うよう、プロットをカスタマイズする

次に、明確になった問題点・原因・解決策を基本方針として、今度はシーンの方を操作していきます。

各シーンが、きちんとテーマを解決するために必要なものになっているか、もう一度考えてみてください。

そして、要らないものは徹底的に省き、ピンと来ないものはより追求します。

「なんで、このシーンだけがつまらないのだろうか?」


途中まで書いてしまっている場合は書き直すことになってしまいますが、不自然な繋げ方にならないように気を付けましょう。

意識していても、どうしてもなってしまいます。あんまり迷うようなら、思い切ってばっさり捨ててしまって、イチから書き直すのもアリです。


そうやって1つ1つのシーンを大切に書き進めていくと、物語に変化が生じます。

これまでチープだと思っていた作品の展開に勢いがつき始め、登場人物が生き生きと動くようになってくる。これがとても大切です。

まさに、『オリジナリティが生まれる瞬間』ですね。


各シーンの面白さを最大化するためには、自分がテーマとして掲げていることと、小説の中の各シーンがつながって、一本の線になっている事が重要です。

この辺りは下記の記事で紹介したので、ご一読頂けるとよくわかるかなと。

参考【初心者向け】小説の書き方のコツをたった5千字で超簡潔に説明する

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オリジナリティのある小説は、『アイデア』ではなく『努力』で作れる

以上、ここまでオリジナリティある小説の書き方について言及してきました。

最後にお伝えしたいことは、『小説の完成度はアイデアの良し悪しではない』ということです。

なんでもない恋愛小説であっても、ひとつひとつのシーンを大切に、テーマに合うように考えていけば、作者本人が持つオリジナリティは絶対に出てきます。

もちろんアイデアの面白さは重要ですが、それだけで小説の完成度は決まらないという事です。

「こんなアイデアじゃ、良い小説にならない」と思ったら、ぜひ深堀りしてみてください。

きっとそこには、新しい発見があるはずです。

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