ベンチャー企業で身につくスキルってなんだろう。
大手と比べて、違いってあるのかな?
逆に、身に付かないスキル・注意点があれば教えてほしい。
ベンチャー歴10年以上です。そんな疑問を解決します。
学生も終盤に差し掛かって、さあ就職先を探そう! ……となった場合に、では『大手とベンチャーでは身につくスキルに差があるのかな?』と気になる方もいると思います。
そこでこの記事では、特にベンチャーを狙っている方に向けて、『ベンチャーで身につきやすいスキル』について紹介したいと思います。
タイトルの通り、『身につきやすい』であって、『身につく』ではありません。この点、後ほど詳しく説明します。
合わせて学生の方に向けて、スキルを身につけるためにはどんな姿勢で仕事に望めば良いのかという所にも触れていきます。
学生の方に向けて書いていますので、今社会人の方からすると少々初心者向けに思える事があるかもしれませんが、その点ご了承お願いできればと思います。
それでは、メインパートに進みましょう。
Contents
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ベンチャーで自然に身につくスキルはない理由【暴露します】
少し過激なタイトルを付けてしまいましたが、これは私がベンチャーに入って一番感じている事なので、すみません。暴露します。
ベンチャーに居るだけで、自然と身につくスキルというのは正直、ありません。
ガンガン新しい事を覚える人がいる一方で、「それ5年前とやってる事変わらないじゃん」という人もいます。
スキルは自分の手で掴み取るもので、会社に入っただけで自然と身につく事って、あんまりないんですよね。
自分自身がスキルを身につけたいと感じていて、個人でも努力ができる資質の持ち主ということであれば、成長の余地は沢山あると思います。
100%すべての人に理解される説明はない
中には、『会社は個人を成長させて当たり前』という価値観で仕事に挑む方がいるのも事実です。
申し訳ないんですが、この場合は、会社で孤立してしまう可能性があります。
というのもですね、ベンチャー企業って人数が少ない事が多いので、採用人数も少ない傾向にあるんです。
個人が受け持つ仕事の幅が広く、そもそもが分からないことだらけなので、教えれば誰でもできるような、ルーチンワークの仕事ってあんまりないんですよ。
そんな中、『仕事なんて教えてもらって当たり前』『ノウハウは詳しく教えてくれて当たり前』という、『当たり前思考』で挑んでしまう学生の方はですね。がっかりして、会社を去ってしまう場合が多いです。
会社というのは、チームワークです。
もちろん、右も左も分からない学生相手に、「今日から君の持ち場はここだから、きちんと仕事を管理して責任を持ってね」と言って去っていくというように、完全放置が当たり前なんだと言うつもりはありません。
実際私も、新入社員にはしっかり育って責任を受け持って頂きたいので、特に丁寧に説明しているつもりです。
でも『当たり前思考』の方は、相手がどれだけ丁寧に説明しても、ダメなことがあります。
結果として理解度もよく分からないまま仕事を任せる事になり、相談も報告もなく、最後、仕事は達成されていない。
怒られた後で、第三者に文句を言っている様子を目にする。
こういった状態だと、結果としてスキルを身につけられず、仕事ができないまま終わってしまうんですよね。
結局大手であろうがベンチャーであろうが事情は同じで、自分で理解しようとしない限り、自然にスキルは身に付かないんですよ。
自分の手で掴み取る努力をしなければ、世の中のほとんどの事は、上滑りして手からこぼれ落ちて行ってしまいます。
全体像を把握する力と、物事を整理する力が必要
ということで、会社でスキルを身につけるために最低限必要な事として、『全体像を把握する力』と、『物事を整理する力』を鍛えるという努力が必要です。
私も、どうしても細部や手順に寄ってしまう癖があり、視野が狭くなる傾向にあります。なので、『自分は完璧人間です』とは言えません。
でも、この2つを育てる努力をしないと、いつまでもスタートラインに立てないんですよ。
『全体像を把握する力』というのは、『今自分の周りではどんな事が起こっているのか』ということを、自分という範疇を超えて理解しようとするスキルです。
つまり、言い渡された仕事の手順だけで留まらず、『なぜこの仕事が必要になっているのか』、『全体ではどんな仕事の工程があるのか』もセットで考えるということです。
最初はすべて分からなくても良いのですが、できれば聞ける人にどんどん聞いていって、いざという時に人の代わりにもなれるように準備するのが大事です。
『物事を整理する力』というのは、自分が把握している工程・作業を項目ごとに分割して、優先順位を付け、緊急度・重要度の高いものから先に捌いていく力です。
これがないと、『簡単な仕事』ばかりに意識を奪われ、気がついたら緊急度の高い仕事の期限が過ぎていて間に合わないという事態が起こります。
特に、『緊急度』が重要です。人から仕事を任された時には、必ずセットで期限を聞くようにしましょう。
この2つがあれば、最低限、会社で自分自身を成長させるための準備が整う事になります。
でもこれは、『自分の範囲を飛び越えて』という部分が大きいので、自分の仕事に線引きをして責任を負わないよう意識していると、できなくなってしまう事です。
スキルが身につかなくなる最初の原因は、いつも『躊躇』にあります。
ベンチャーで身に付きやすいスキル
ということで、『ベンチャーに入ったからといって、誰でもスキルが身につく訳ではない』という事は、ご理解頂けたかと思います。
それを踏まえた上で、大手では身につけるのが難しく、ベンチャーでは比較的身につきやすいスキルというのが以下になります。
- 1人で仕事の全体像を把握し、事業を進める力
- 自分で仕事を作り出し、明日に繋げる力
それぞれ、説明していきます。
1.1人で仕事の全体像を把握し、事業を進める力
ベンチャーは少人数で、比較的小さなプロジェクトを進める事が多いです。
そのため、1人あたりが任される範囲が広く、様々な仕事を受け持つ事になります。
専門分野に特化したような仕事の仕方はしにくい代わり、どんなニーズにも答えるジェネラリストを目指しやすいです。
『数億円以上の大きな規模の仕事に関わりたい』『特定の仕事に集中して、毎日同じ課題に取り組みたい』という方は、あまりベンチャーには向かない傾向にあります。
ベンチャーで専門分野に特化するのは、けっこう難しいです。
会社の中に特化した人材が既に居るといった状況であれば話は別だと思いますが、新しい商品・サービスを展開して利益を得るというのが第一目標になるので、商品・サービス中心のスキルセットになります。
たとえば、特定の分野に特化したコンサルタントをやる場合などは違うのですが。
何しろ大手と違って、人数が少ないです。
人数が少ないということは、専門知識を備えている人も少ないということで、どうしても独学でやる事が多くなります。
無理ではないんですが、ハードルは高いと言えるでしょう。
もちろん名門中の名門校から出ているような、よりすぐりのエリートが揃っているベンチャーに行けたのであれば、この限りではないと思います。
そうではないベンチャーの方が圧倒的に多いと思うので、ここでは取り扱いません。
2.自分で仕事を作り出し、明日に繋げる力
ベンチャーは資金が少ないという関係上、稼ぎがなくなればすぐに潰れる運命にあります。
そのため、常に何らかの方法で稼ぎを得る事を考えなければなりません。
これは社長だけではなく、個々の社員にまで発展し、もはや全員が明日の食い扶持を探してさまようような状態になります。
自分の手で仕事を作り出す能力は、ベンチャーで養われる可能性が高いでしょう。
まったくそういった意識が養われず、むしろ別の意味で会社に養われたまま去って行った同僚もいるので、やはり確実に身につくとは言えませんが。
ここでの良いポイントは、『副業につながる』ということです。
本業を副業に活かしやすくなるのは、少人数でビジネスの規模が小さいベンチャーならではのメリットではないかと思います。
何もない所から、自分で稼ぐ方法を調べ、試行し、色々な事に挑戦していると、外部から声がかかる事も多くなります。
実際私も、年に何度か全く違う方向から声がかかり、副業的に仕事をする事があります。
そういった仕事がやがて本業になっていき、会社の給与を上回る可能性もあります。
そう考えると、夢が広がりますよね。
反面、安定性などは皆無なので、『入社して階段式に収入が上がっていく』ということはまずありません。
成果を出さなければ、給料は上がらないものだと思いましょう。
ベンチャーで、スキルを身につけるために格闘しよう
冒頭の方は、中々意識の高い事を言ってしまった気がしますが、どうしてもここは事実なので、今回は書かせて頂きました。
いずれにしても、ベンチャーというのは『会社とは何か』という事を強く感じる場所ではあるので、私としてはおすすめできます。
仕事はハードかもしれませんが、自分で考えながら仕事をこなしていった先に見えるものは、そう小さくはないはずです。
私もこんな記事を書きながら、改めて自分の身を引き締めるつもりで、いっそう仕事に励んでいきます。
今就職先を検討しているという方について、自分の目指したい方向の参考になれば幸いです。