ベンチャー企業への転職って、入る前は怖いことが沢山ありますよね。
誰に何を言われても安心できない。私がそう思っていたので、同じように考える方も多いのではないでしょうか。
ある意味、ベンチャーへの転職には覚悟がつきものです。
様々な波乱が幕を開けるかもしれないですし、それに対応していく事ができるのは自分だけです。
私はベンチャー企業に10年以上在籍しているのですが、転職当時にはやはり、色々な覚悟を決めて挑戦しました。
そこで、どんな覚悟をしたのか。それは実際、どうであったか。
そんな話をしていきます。
意外と蓋を開けてみれば、別段大したことは無かったこともあります。
これからベンチャーに、とくにスタートアップ・ベンチャーに挑戦してみたいと思う方に向けて、後押しをするような記事にできればと思っています。
Contents
スポンサーリンク
私がベンチャー企業への転職で覚悟したこと
まず、ベンチャー企業に転職するというのは、けっこう孤独なことです。
私は自分で劇団や商業活動グループを立ち上げた経験があったので、特に変わらず『今までと同じ』という感じだったのですが、仲間うちでワイワイやりたい人からすると、少し特殊な環境かもしれません。
そもそも、集団に溶け込んで生きていくのが難しい、といったタイプの人が集まってきます。それは間違いない。
だから、まず『人に頼れない環境下なんだ』という覚悟が必要でした。
ベンチャーに入る前は、そこそこ人数の居る中小企業に所属していたのですが、そこから10人以下の企業に行くとなると、怖さがあります。
人の数は、解決できる課題の数だからです。
仕事をすればするほど、そういった価値観が染み付いてきます。
確かに、優秀な人は優秀です。一人で様々な課題をこなしていく事ができる人もおり、その戦力差というのはとても大きいでしょう。
でも、『一人分の力』です。
人が集まっているというのは、慣れてしまえば些細なことですが、10人もいないような場所では大きな差を感じることになります。
ベンチャーに所属するということは、当分の間、『お金を稼ぐ』という非常にリアルな人生を賭けた勝負に、若干10名以下の総合力で挑まなければならない、ということなんです。
今でこそ、ある程度どのようにすれば自分の目的通りに活動できるのかが理解できてきましたが、自分でグループを立ち上げた当時は何をやってもうまく行かず、敗戦の連続でした。
それは自分自身の能力不足も大きく関係していたのですが、それ以上に『数名しか人がいないという厳しさ』も大きくありました。
それが分かっていたので、ベンチャーに挑む時の100名以上→10名以下という転職に、恐怖を感じました。
今でも、あの恐怖は正しい恐怖だったと思っています。
ベンチャーへの転職は、サバイバルのようなもの
少人数で戦わなければならないという状況は、言わばサバイバルのようなものです。
ごく限られた能力を持った人間が集まって、生きていくための道を探していく事になるからです。
そして、多くの場合サバイバルに長けていない人が集まって生き抜こうとするので、そのほとんどが手探りになります。
世の中にある様々なツールは基本的に有用なものばかりですが、中には「こんな使えないシステム作ってどうするんだ」と思えるようなものもあります。
バグだらけのシステムに直面して、文句を言いたくなった事はないでしょうか。
私はあります。
私はIT系のベンチャーに所属しているのですが、今ではバグや使いにくさに、かなり寛容になってきました。
少人数で作るシステムというのは、どうしても手探りになります。
分からない事が多いので、考えながら作るしかないんです。
どうすれば、お客様に受け入れられるか。どうすれば、満足の行くシステムになるのか。
大体の場合は、開発人数よりも規模の大きなシステムを作ろうとしています。
そうしなければ、仕事にならないからです。
でも、そういったある程度の規模があるシステムを開発しようとすると、まあ当たり前なんですが、手がまるで足りません。
手が足りないので、今度は『核の部分だけ作って、細部を後回しにする』という手段を取ることになります。
そうすると、ちょっとしたバグや使いにくさは、どうしても発生しますし、分かっていても直す事ができないんです。
分かっていても。
まあ「お金に対する対価なんだから、バグなんかあってはいけない」と言われてしまえばそれまでなんですが、もうそれで離れていくユーザーは諦めるしかないという状況になります。
これはもう、最初のうちはどうしてもそうなります。
そんな、サバイバルを生きていくような覚悟が必要になります。
生きていく事を最優先とし、欲しいモノと娯楽をある程度は諦めるといったような。
ベンチャー企業にギャンブルの要素はあまりない
これは私が覚悟していたけれど、実際に入ってみたらそうではなかった、という話です。
ベンチャー企業に入る前は、『そんな少人数の会社なんて、いちかばちかのギャンブルみたいなものじゃないか』と思っていました。
でも、意外とギャンブル要素は少ないです。
これが経営者として起業する立場になるのであれば、どうしても運の要素は出てきます。
でも、従業員に至ってはその限りではない、というのが本音ですね。
会社が仮に倒産したとしても、ベンチャーで真面目にやっていたのなら、どこかしら就職先はあると考えています。
実際、転職できなかった話をほとんど聞いたことがありません。真面目にやっていたのなら。
少人数で会社を成立させていたという事自体、ちゃんとアピールできれば確かな強みになりますから。
ただし、虎の威を借るだけの人にならないように注意しましょう。
確かに給料という意味では、今大企業にいる方などは下がってしまうのかもしれません。
でも、ここについても生きていけないほど給料が下がる訳でもないので、わりとどうにかなります。
会社が成功すれば、給料が大幅アップする事だって考えられます。
実際私も、入社当初から考えると2倍以上の年収になっています。
まあ、スタートが少なかったという要素はやはりあるんですけれども。
低い給料を自分の手で上げていくという要素以外は、うまく行けばどうにかなる、うまく行かなくてもどうにかなる、という状態なんですよね。
だから、ギャンブルではなかったなあという印象です。
ベンチャー企業に転職すると、『職場恋愛』という要素はほぼ消える
少人数の企業で職場結婚を狙うというのは、もうほぼ無理です。
これはそうだろうなあと覚悟していた事なのですが、わりとドンピシャで当たりました。
起業のオリジナルメンバーって、大体同性なんですよね。自然とそうなります。
私はそもそも仕事と恋愛は区別して考えたい人間だったので、そんなに気にならなかったです。
幸い、私の場合は良縁があって結婚もできました。でも、周囲を見ていると苦戦している方が多いようです。
何しろ人が少ないので、職場で仲の良い同僚などから人を伝っていくという要素がないんですよ。
そういう意味では、私もけっこう顔を広くして立ち回りました。何しろ、合コンすらほぼないですからね。
これは仕事以外の趣味を持っていたりすると、大きく事情が変わってくるのでおすすめです。
結婚したいと思う人にとって、『一生独身でいる覚悟』というのは少し悲しいので、『積極的に相手を探す覚悟』をすると、まあけっこうなんとかなるもんです。
ひとつ言えるのは、相手を待っていようと思うと、ほぼ間違いなくその相手は来ないということです。
自分から手を広げていく手段が問われる印象ですね。
積極的に人と話す訓練をすることで、仕事にも活かせるようになります。
ひとりでも、生きていく
タイトルにも書いたんですが、ここで言うところの「ひとりでも生きていく」というのは、「『ひとりで』生きていく」とは少し意味が違うものとして書いています。
責任転嫁できない。人のせいにできない。人の力を借りることが難しい。
そういった環境下でも、持てる能力を最大限使って、ひとり『でも』生きていく力を養うこと。
その上で、数少ない仲間を大切に扱うようにすると、意外と道は拓けてきます。
サバイバルで生き抜くことは、覚悟を決めれば意外とできる。そんな背景を物語っているかのようです。
これは後で気付いた話なんですが、わりと多くの会社がそういった『ひとりでも生きていける人材』を求めているんですよね。
やっぱり、どこの会社でももたれかかっているだけの人材でいてはいけない、という事なんでしょうか。
これからベンチャー企業に挑戦するなら、そんな覚悟を持って頂ければ、きっとうまくいくと信じています。