新卒、社会人1年目。それなのに早くも、仕事に行きたくないと感じている……。
こんな事を感じる方、少なくないのではないでしょうか。少なくとも、私はそうでした。
特に理由は分からないけど、仕事に行きたくない。気分が乗らない。
でも、ニートになるわけにもいかない……。
こんな想いが日々頭に浮かぶようだと、生活するのも苦しくなってしまいますよね。
この記事では、『仕事行きたくない』と感じている新卒の方に向けて、なぜ仕事に行きたくないと感じるのか、それを対策するためにはどうすれば良いのかについてお話します。
社会人になったばかりの頃はここが言語化できないので、得体の知れない辛さに呑まれる事になってしまいます。
でも、言語化できれば対策できます。今回はそれについて見ていきましょう。
これを書いている私は社会人経験が10年以上あり、とあるベンチャー企業でシステム開発の責任者をやっています。
でも、社会人1年目の頃は会社の考え方に耐えられず、すぐに転職する事になりました。
この記事を通して、あなたの辛さが少しでも軽減できれば幸いです。
Contents
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仕事行きたくないと感じた新卒の頃に理解する5つのチェックリスト
まず、『仕事に行きたくない』と感じるからには、そこには必ず理由があります。
これは他の記事でも書いているのですが、環境に合わせて自分自身を変えていける力がないと、すぐに生きていくのは困難になってしまいます。
それは、どんなに強い人間であっても。
我々は恐竜ではなく、ホ乳類にならなければいけないのです。
そこで、ではどんな環境に身を寄せていかなければならないのか。
様々な見解がある事は承知の上で誤解を恐れずに言うと、これには5つのベクトルがあると私は考えています。
- 給料の発生
- グループワークの表と裏
- 資本主義という現実
- 縦のつながりと横のつながり
- ビジネスとプライベート
これらが学生の時と比べて大きく違う部分になるため、苦痛を感じる事もあるのではないでしょうか。
これって、とても言葉にしにくい事だと思うんです。自分の中でも。
そのため、なんとなくイメージの上で『自由がない』『縛られている』と感じていることも多いと私は考えています。
ゴリゴリのブラック企業や、パワハラ・モラハラがある場合などは除きますが、上記5つの要素は、必ずしも人を縛り付けるものではないです。
ここがきちんと言葉として理解できると『仕事に行きたくない』という抵抗は減ると思うし、実際私は楽になったんですよね。
なので、この5つの要素を詳しく説明していきます。
Step.1 給料の発生
社会人になると、基本的には働き、会社や取引先から賃金を得ることになります。
わかりやすく、ここではサラリーマンの給料を見ていきたいと思います。
働くと給料が発生する。
学生時代にアルバイトをやっていた方からすれば、この観点から『一生労働』というイメージがまとわりついてしまい、仕事が辛くなってしまう事があります。
しかし、こう考えていただきたいのです。
今給料を貰っているのは、あなたの『労働』に対してではなく、『信頼』に対してなんだと。
つまり、自分の求めるゴールラインがあって、そこに向かって走っているんです。
ゴールがあるんですよ。
労働に対して給料が貰われているのだと感じてしまうと、目の前にぶら下がっている餌を求めて走り続けるメンタルコンディションになってしまいます。
でも、そうではないんです。給料とは信頼の対価なので、会社から信頼が得られると、同じ仕事でも給料が上がります。
「こんなに仕事をしてやっているのに、ちっとも給料が上がらない」と嘆く若者に会ったことがありますが、給料は労働の対価ではないので、沢山労働をしても入るのは残業代くらいです。
会社というのは、事業を行って社会貢献をし、その対価としてお金を受け取っています。
個人事業主が法人化し、大型になったバージョンです。
では、事業を起こすためにはどうしたら良くて、それを成長させるためにはどうしたら良いのか。より効率よく、かつ満足度の高いサービスにするためには?
仕事って、本来はこういう事を考えるのが主たる要素で、その思考の結果として、作業があります。
なのでこういう目線で仕事をして、会社に自分の仕事が認められると、環境は一気に変わるんですよね。
今日から、『自分や会社の環境を良くするためのあの手この手』を考えてみませんか。
逆に言えば、そういった事が考えられる環境を探すことも、仕事に行きたくなるためには重要だと考えています。
Step.2 グループワークの表と裏
グループワークには2つの種類があります。
それは、『利害関係を伴うグループワーク』と、『利害関係を伴わないグループワーク』です。
まずはこれを踏まえて、『社会人の多くは前者なんだ』と思ってみてください。
この2つは似ているようで、実際は大きく性質が違います。
利害関係を伴わないグループワークの時は、もしそれが終わったとしても誰にも影響はありませんから、有志の方々によってのみ、続けられる事になります。
しかし、利害関係を伴う場合は違うんです。『嫌でもやらなければ生活ができない』。
これが、人間関係が悪くなる大きな原因になっています。
たとえば、もしあなたが、失敗したら自分の給料が下がるかもしれない環境で、新卒の部下の面倒を見なければならないとしたらどうでしょう?
少なくとも、利害関係の無いグループワークよりは、真剣に部下と向き合う事になります。
その結果、できない部下に対して必要以上に厳しく接したり、悪く言う事があるかもしれません。
これ、実は他人の『できない部分』ばかりを見る原因になってしまうんですよね。
新卒の場合は下の立場でここに入っていくので、必然的に『嫌な上司』と思う相手に当たる可能性が高まります。
上司は利益を上げるのに必死なんです。
利害関係を伴うグループワークの時は、自分がグループに貢献できるんだという姿を見せると、一気に状況が変わります。
最初はきつい事が多いんですが、きちんと仕事をしていれば状況が変わっていくということです。
これには多くの場合、年単位で時間がかかります。
自分がグループ全体の評価を底上げする立場になったとき、誰もあなたの仕事にとやかく言うことはできなくなります。
利害関係のないグループよりも厳しさはありますが、利益を与えるプレイヤーは基本的に強く尊重されます。
これが利害関係のあるグループワークの表と裏の関係です。
Step.3 資本主義という現実
社会人として仕事をするからには、目標を持った方が有利です。
どこが上かは問いません。自分の求める、自分が最もすごいと感じる場所を目指してください。
たとえばそれは、『1人でフリーランスとして食べていく』でも良いですし、『最低でも部長クラスまではのし上がる』でも良いです。
でも、自分にとって必要な最大限のお金を稼ぐことは目標にしてみてください。
「別に自分は、仕事にそこまで求めていない」と思うことがあるかもしれません。
でも、この世界が資本主義である以上、『仕事にそこまで求めていない』というのは、お金だけではなく人間関係もないがしろにするということです。
本当は違うんですよね。
楽な仕事がしたい。誰とも争いたくない。
仕事には求める事が多いからこそ、それが叶えられないので『仕事に行きたくない』と感じているはずです。
資本主義というのは『資本』を『主義』とするので、お金を持っている人の方が色々なことができます。
つまり、『お金を持っている人』が『お金を持っていない人』を利用できる仕組みです。
お金を持っていない人の立場は基本的にどんどん弱くなりますし、お金を持っていなければ持っていないほど、新たに稼ぐことが難しくなります。
やりたい事がやりたい。趣味に思い切り時間を使いたい。誰にも縛られない、自由な生活がほしい。
すべて、資本がなければ成立しないことです。
そして、資本がない人の所には、資本がない人しか集まってきません。
お金は『信頼』の証です。お金をある程度稼ぐようになると、信頼度の高さをある程度資金力で見るようになります。
お金がないと、社会貢献ができない人だとみなされるようになります。
逆に言えば、『資本さえあれば自由にできる』という事実があります。
これが分かっていれば、もう仕事でどこを目標にするかは悩まないはずです。
Step.4 縦のつながりと横のつながり
社会に入ると、縦のつながりと横のつながりができます。
学生時代はなんとなく、『先輩の方がえらい』的な考え方を持っていたかもしれませんが、本質的な縦のつながりは『えらい』ではないです。
より仕事を多く知っている立場の方が、事業の全体を俯瞰することができます。
つまり、仕事をコントロールできる立場になる。これが『縦のつながり』です。
『上位』『下位』なんて言葉を使うので、しばしば『えらい』と勘違いする事もありますが、縦のつながりを保つためには、下位のプレイヤーが仕事をしなければ成立しません。
上位のプレイヤーが全体のコントロールを行い、下位のプレイヤーは個々の貢献度を最大に近づける。
つまり、どちらも尊重し、尊重される関係でなければ成立しないんです。
私自身が俯瞰する立場になって思うのですが、仕事をコントロールせず、上から物を言って働かせるだけの上位プレイヤーなど必要ありません。
それが許されるのは立場上、資本家だけです。
一方で、横のつながりとは同じ目線で仕事をする仲間のことです。
様々な情報を共有し、全体像を把握する。上位のプレイヤーが伝えきれなかった事を補完し合う。
こういったことが、横のつながりでは大切なことです。
もし想像しにくければ、スポーツチームを連想してみてください。
利害関係を同一にしたチームなので、全員が全力で挑まなければチーム全体の評価が落ちます。
時には厳しく言われる事があるかもしれませんが、それは単なる罵倒なのか、チームを良くするために話されている事なのか、精査してみていただきたいのです。
チームを良くするために言った真摯なメッセージを『パワハラ』だと取られてしまっては、どんなチームも成立しません。
逆に言えば、運命共同体として共同戦線を張るに値しない相手だと感じるのであれば、相手にとっても良くないので、早く環境を変えるべきです。
これで人間関係上の『仕事に行きたくない』は、仕事を変えるべきなのか、自分を変えるべきなのかで解決できるはずです。
Step.5 ビジネスとプライベート
最後に、ビジネスとプライベートについてもお話していきます。
世の中にはビジネスとプライベートがほぼ同一の人も、明確に分けている人もいます。
私はどちらかと言えば前者なのですが、このポリシーは人によって違います。
よくあるのは、ビジネスの関係で知り合った人に、友達感覚で寄っていってしまうことです。
相手もそれを良しとしているのであれば良いのですが、それを良しとしない相手がいることは、覚えておかないと辛くなってしまいます。
結果、冷たくされて、『仕事に行きづらいな……』と感じる原因になってしまうかもしれません。
それは別に「あなたと仲良くなりたくない」という事ではなくて、仕事のためなんです。
ビジネスの場では、より環境を良くするためにはどうしたら良いかを考えて行動している人の方が多いです。
そんな時、プライベートで仲良くする事によって、どうしても言いたい事が言えなくなってしまう事があります。
あなたもありますよね。上司や部下には遠慮なくものを言えるけれども、友人には言いにくいということが。
これは、ビジネスを真剣に取り組んでいるからこそ起きることです。
私も昔はここの感覚がよく分からなかったのですが、自分が仕事をコントロールする立場になって、強く感じます。
気を抜くとすぐ、馴れ合いでだらだらと仕事をする環境に転じてしまうのです。
人との付き合い方・尊重の仕方は人それぞれ、立場それぞれなので、広く受け入れるようにすると、心が楽になるはずです。
新卒時代に仕事で最も理解すべきは『多様性』
ここまで、仕事に行きたくないと感じる新卒の方に向けて、社会人になってからの大きな違いをチェックリストにして見ていきました。
私は、学生時代から社会人になって最も大きく変わる価値観は、一言で表現すると『多様性』だと思っています。
様々な考え方をする人がいて、その人達と共に仕事をしなければならない。
そう考えた時、どこまで許容できるか、どこまで許容すべきか。これが大事かなと。
多様性への理解を広くしていく意識がないと、自分が付き合える人のタイプはいつも決まってしまいます。
そうすると、どんな職場に行っても「あの人つらいから仕事行きたくないな……」と感じる事に繋がります。
もちろん、何でもかんでも許容しなさいという事ではなく、人として誠実に対応できる範囲を広げていくのが大事ということです。
自分の事しか考えていない相手にまで寄っていこうとすると、それはそれで辛くなってしまうので。
この記事を通して、仕事を攻略する方法と言うのか、仕事に行くことに目標を見出して、ゴールまで歩いていける方が増えればいいなと願っています。
それでは、今回はこんなところで。