小説の書き方

注意!こんな小説の書き方はおすすめできません【理由も解説】

クリス

よーし、小説を書くぞ!
……でも初めて書くけど、小説に書き方ってあるのかな?
おすすめの書き方ってあるの?

そんな疑問を持っている方向け。


もちろん、大前提として小説は自由なもので、どのように書いても良いんです。

しかし……結果として、こうするとあまり読まれないぞ! こうすると反感を買う可能性があるぞ! という書き方は実際、存在します

もはや『やってはいけないタブー』のように考えられがちな書き方というものがあり、余程有名になっていない限り、枠を外れた小説を公開してしまうと、誰かから批判されてしまう可能性があるのです。

この記事では、それを未然に防ぐための『やってはいけないパターン』をいくつか紹介できればと思います。

……いや、自由なんですよ? 別に、どう書いたって良いんです。ただ、それに不快感を覚える人がいる以上、なるべくなら読者の視点に立つというのがクリエイターの勤めであると、私は考えております。

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おすすめできない小説の書き方①:セリフに名前が付与されている

いわゆる脚本形式とも呼ばれるこの書き方。初めて小説を書く方にとっては、ハードルが低くて良いなと感じる事も多いかもしれません。

ですが、これにアレルギーを持っている方は多いです。

実際、売られている小説を手に取ってみると、括弧の手前に名前が書いてある小説は極めて少ない。そういう事がアレルギーの由来なのかもしれません。

例)
 扉の前に立っている俺を発見すると、キャメロンは背後に花が咲くような笑顔で俺に向かって走って来た。……相変わらず、筋肉マッチョな姿と醸し出す空気にまるで統一感が見られない。
 いや、何だその格好は。全身白とピンクで構成されたフリル地のドレスに身を包み、ミニスカート。ま、まさか……!?
グレン「遂になってしまったのか……魔法少女に……!?」
 俺が驚愕してそう言うと、キャメロンは少し照れ臭そうな笑みを浮かべた。
キャメロン「やっぱり、分かっちゃう?」
 殴りたい、この笑顔。

元の文章:『(前略)あまりもの冒険譚! セントラルの裏カジノを探せ』

赤字で書いた部分です。これは、できれば避けましょう。

地の文で誰が喋っているのか分かるようにする工夫が必要です。自然に文章の中で想定できるようになるよう、なるべく努力しましょう。

おすすめできない小説の書き方②:ほぼ『セリフ』しかない

続いて、初心者がよくやってしまいがちな内容として、セリフだけで小説が構成されている、というのがあります。

いや、会話だったら良いんです。会話の場合はある程度、セリフでやるしかない所も多いでしょう。

問題はそういう事ではなく、本来地の文でやるべき小説表現が存在しなくなってしまっている、という所です。

頭の中でイメージしている世界はいつも鮮明なので、ついつい会話だけを書けば読者にも理解してもらえると思ってしまいがちです。

いきなり読者目線に立つというのは中々難しいですが、『誰が』『どこで』『何を』しているのかくらいは、最低限分かるような地の文を目指しましょう。

もしも気になったら、一旦自分が書いた小説を置いておいて、一週間後くらいにもう一度読み直すと、背景描写が足りていない部分が分かるようになりますので、おすすめです。

おすすめできない小説の書き方③:視点が混ざっている

特に最初のうちはやってしまいがちな問題として、『視点が混ざってしまう』ということがあります。

 その時、俺はミチコに言った。
「あいつが俺のARデバイスを奪ったんだ。絶対に見つけて、取り返してやらないと」
 俺は憤慨していた。まさか、マサルがARデバイス信者だったなんて。それにしたって、今回のやり方はひどすぎる。俺が体育の授業を受けているうちに教室に忍び込んで、俺のARデバイスを奪いやがったんだ!
「そもそも、なんで教室にARデバイスを持ってきたのよ」
 ミチコは俺の行動に呆れて、ため息をついた。授業に必要ないものを持ってくるなんて、アホの極みだ。

こういうヤツです。どこがおかしいか、すぐに分かるでしょうか?

そうです。『ミチコは俺の行動に呆れて~』の部分ですね。

これは一人称視点で書かれているので、視点の中心になっている『俺』は『ミチコ』ではないです。そうすると、『ミチコ』が考えている事というのは、小説の中で書くことはできません。

もしこの文章を正しく直すとすれば、こんな感じでしょうか。

 その時、俺はミチコに言った。
「あいつが俺のARデバイスを奪ったんだ。絶対に見つけて、取り返してやらないと」
 俺は憤慨していた。まさか、マサルがARデバイス信者だったなんて。それにしたって、今回のやり方はひどすぎる。俺が体育の授業を受けているうちに教室に忍び込んで、俺のARデバイスを奪いやがったんだ!
「そもそも、なんで教室にARデバイスを持ってきたのよ」
 ミチコはため息をついた。俺の行動に呆れているように見えた。
 ……なんだよ、人のことアホでも見るかみたいな目で見やがって。俺はどこにだって持っていきたいんだよ、ARデバイスを!

わりと慣れてきても、やってしまいがちなミスではあります。注意しましょうね。

まとめ:とはいえ、本当におすすめできる小説の書き方は『まず完成させる』こと

さて、ここまで3つのポイントについて見てきました。

  • セリフに名前が付与されている
  • ほぼ『セリフ』しかない
  • 視点が混ざっている

まあこうは書きましたが、正直どんな形でも面白ければ良いというのはあるので、「これをやると基本的には評価が悪くなる可能性があるので、おすすめできませんよ」とは言っても、「絶対やるな! ルール違反じゃ!」とは言えません。

それに、なんと言っても小説は、『完成させる事で技量が上がる』タイプの作品だと、私は考えています。

途中でぶん投げた小説って、あんまり上達にならないんですよ……。きちんと伏線を回収し切って、ちゃんと読者に読了感を覚えて貰って、ようやく自分が書いた作品の質がわかる

こういうものだと思います。

なので、既にこの形で小説を書いてきて、「このまま行くぞ!」と思ったなら、それで一本完成させた方が良いです。書き方を直すより、一本完成させた方が上達が早いと思うのです。

もし新たに小説を書き始める機会があった時に、「おっ、そういえばこの書き方、今回はやめてみるか」みたいな形で採用されれば嬉しいです。

このサイトでは、こういった『初心者に向けての小説の書き方』を中心に、様々なコラムを書いています。初心者Web小説家さんならきっと読んで損はしないので、よければ他の記事もどうぞ。

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