「ブログがパクられたから通報した!」なんて言うけどさ、文章を完全にオリジナルでつくることはできないじゃない。
まとめサイトとかもあるでしょ? 人によって基準も違うし、正直よくわかんない。
何をしたらパクりなのかを教えて欲しいんだよね。
そんな疑問に答えていきたいと思います。
まだドコモがiモードを全力で成長させていた頃、私はPHSユーザーだったので『魔法のiらんど』が何なのかをよく知らず、自分のホームページに書いた小説が無断転載されている事も知りませんでした。(親切な人がメールフォームで教えてくれました)。
さて、『文章のパクリ問題』。比較的デリケートな問題に、今回は切り込んで行きたいと思います。
Webサイト運営歴は15年以上前、Web小説歴は6年、ブログは5年です。少なくとも、Web文章ヘビーユーザーではあると思います。
この記事では、こんな問題を解決していきますよ。
- ブログ等のWebコンテンツって『どこからがパクリ扱い』なの?
- どうやったらパクリと言われないコンテンツが作れるの?
ブログのパクリ事件のような、『著作権侵害』と『無断転載』。これって、『知らないからやってしまう』んですよね。これをまず念頭に置いておきたい。
知っていれば、やらないんですよ(知っててやっちゃうマナー違反な方も、中には居るかもしれませんが)。
この問題は非常にデリケートなので、この記事を書くにあたり、私ももう一度、一生懸命調べました。
この記事は、前半では『ブログがパクリになってしまう境界線』の話をしていきます。ここで、パクリになる理由・ならない理由を明確にしましょう。
後半では、『パクリにならないブログの作り方』を解説します。ここで、NGな事を再度確認しましょう。
やってしまってから「ああ、そりゃそうだよな」と思わないために。
ブログの場合、パクリにならない方法は比較的簡単ですから。最低限の知識を、ここで覚えてしまいましょう。
Contents
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『ブログをパクる』どこまでがOKなのかを解説する
いきなり結論です。最低限、以下3点は絶対にやめましょう。
- 他のブログやサイトに書いてあった文章をCtrl + C & Vでコピペ
- 他のブログやサイトの画像を盗用または直リンク
- WordPress有料テーマなど、有料コンテンツを無料で手に入れて利用
逆に、パクって良いものもあります。それはたとえば、以下のようなものです。
- 文章の書き方・テンプレートなどを流用して記事を作成する
- 商用利用無料のフリー素材を取得して使う
- 他の人のブログデザインを参考にして自分のブログをデザインする
この2点、境界線が一体どこにあるのかというと、『明示的に許可されていない他の人の作品を勝手に流用しない』ということです。まず、ここに尽きます。
逆に言うと、公開されているノウハウをもとに『参考にして自分でつくる』ことは基本的にOKですし、商用利用フリーであることが明記されていれば、自分のブログで使うことだって可能なわけです。
とは言っても、参考元が文章だった場合、「自然に同じ言葉になってしまうのはOKなの? NGなの?」という問題がありますよね。これは、後半の実践編で書くことにします。
まずは世の中にある、『比較的グレーゾーン』のアレコレについて書いていく事にしましょう。
著作権侵害Webコンテンツの登場と今
そもそも、3Gが普及してケータイでインターネットができるようになるまでは、Webサイトは著作権違反のバーゲンセールみたいな事になっていました。
まだインターネットを取り締まる流れもなかったので、たとえばファンが二次創作の小説をアップしたりというのは自然な流れでした。そういった二次創作は、それまでは公開する場所すらなかったんです。
何しろインターネットというのは急速に進化したので、当時のWebクリエイター達は『著作権法』を知らない人の方が多かったんですよね。
それまでは、個人が制作したものを公開できる場所なんて、限られていましたから。
そして時代は過ぎ、動画にコメントを付けられるサービス『ニコニコ動画』が爆発的にヒット。
動画というのはオリジナルで作るのが素人には結構難しい領域で、画像や音声などインターネットに落ちているものを利用して加工し、アップするというのが日常的に行われていました。
当時は勝手にテレビ番組をアップロードして再生数を稼いだりというのも当たり前に行われていたので、これが大問題に発展。逮捕者も現れる状態に。
かくして、『著作権』は急速に普及し、「違反したらまずいぞ」という認識が広められるようになったと、こういう事なんですね。
このように、元々インターネットは『著作権違反の宝庫』みたいな状況になっていたんです。
今となってはだいぶクリーンになってきたのですが、知識がないと当時のまま、『悪意なくパクってしまう』という状況が訪れることになりかねません。
キュレーションサイトの登場と今
『キュレーションサイト』というのは、つまり『まとめサイト』のことで、一時期とても流行ったサイトのあり方です。
つまり、世にあるオリジナルコンテンツをとりまとめて整理し、新たなコンテンツとして世の中に登場させるということです。
これだけ見ると、なんだか普通な気もしてきますね。新聞だって、ニュースのまとめみたいなもんじゃないのかと。
ただ、この『キュレーションサイト』には色々と問題がありました。
インターネットの場合は、許可なく人の作成したコンテンツをコピーするということが、とても簡単にできてしまうんです。
他の人の有益なコンテンツを紹介するというなら、役割としてはありえます。
問題はそこではなく、『他の人が作ったコンテンツをちょっと変えて、オリジナルコンテンツとして公開』という方法を取っているサイトが、多数存在していたことです。
これは2016年ごろ、『WELQ』というサイトが大掛かりな施策を行い、多数のライターを雇って1日に100記事近くの大量コンテンツを投下。
結果、大きな問題に発展し、『WELQ問題』と称され、Googleの検索結果に影響を及ぼすほどの歴史を変える大事件になりました。
同じように、他サイトからの文章改変・転載をメインにしていたキュレーションサイトも閉鎖に追い込まれました。
ここで、『単にてにをはを変えただけのリライト文章』『他サイトから文章を少しずつコピーして作成した文章』というのが、確実にNGとなりました。
……こう考えると、比較的最近の出来事なんですよね。
『ゲーム実況』から見る、著作権と宣伝効果の問題
さて、ここまで書いてきて、ひとつ懸念点があります。それは、『著作権侵害コンテンツであっても、宣伝効果を持つ要素がある』ということ。
たとえばゲーム実況は当時、立派な著作権侵害コンテンツでした。それでも取り締まられないコンテンツがあったのは、そこに『宣伝効果』があったからです。
その動画を見ることでゲームに興味を持つ人が増え、それが売上に繋がると。
こうなると、制作側も簡単に『削除してくれ』とは言えません。
動画をアップロードしている製作者はそのゲームのファンであり、動画を見に来ている人もまた、そのゲームのファンなんですよ。そこで、大きな交流が生まれているんですよね。
これは長くグレーゾーンになっていた項目でした。いや、今でもそうかもしれません。
ゲーム実況以外でも、MAD動画(複数の要素をかけ合わせて作る、一般的には変なコンテンツ)によって作品の存在が広く認識されたり。
言わば、著作権侵害コンテンツには元の作品を世に認知させるという『副作用』のようなモノがあったんです。
ゲーム実況に関しては、たとえば任天堂が2018年11月末に、「ゲームの動画を作成してアップロードするのを許可するよ」という文面を正式に公開しています。でも、本当の本当に最近ですよね。
ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン
このように、他者の著作物を利用する事に関して、もちろんNGである事は大前提としながらも、黙認されるケースがあるんです。
だから定義が曖昧になってしまって、人によって『ここまではOKだろう』という認識が変わってしまう。
これが、一番難しい部分なのではないでしょうか。
『パクリブログ』にならないために必要なこと
さて。このようにパクリ問題に関しての複雑な歴史はありますが、ことブログに関して言えば、けっこうシンプルです。
なぜなら、『ブログの文章をコピーしても、制作側に宣伝効果はないから』ですね。つまり、他ブログの文章を利用する事自体、明らかにNGだということなんです。黙認もされません。
ただ、「そうは言っても調べて書くこともあるし……」という状況ですよね。
ここで、パクリブログにならない方法を見ていきましょう。
他のブログやサイトに書いてあった文章をCtrl + C & Vでコピペしない
まずお願いしたいのが、『Ctrl + C』『Ctrl + V』を使わないことです。
つまり『コピペ』をやめましょう、というお話です。
たとえ他サイトから調べて情報を取得したとしても、それを自分なりに解釈して、自分の言葉で書くようにしましょう。コピペはまずいです。
なぜコピペがまずいかというと、『どんなに文章を変えようとしても、ある程度は同じ文章になってしまう』という所なんです。
「いやそんなもん、手で打っていたって同じ文章になる時はなるだろ」と思うかもしれないのですが、一致率が明らかに変わります。
目で見ながら文章を書いたら同じになるかもしれないですが、たとえば1文50文字、一字一句変えずに覚えて書くのって結構難しいですよね。
同じ文章を書くためには、その内容を理解している必要が出てきます。本人の言葉で出力するので、少しずつ内容も変わって来ます。
たとえば、『じゃんけんの仕方を説明してください』と言われた時に、グーの形から説明するかパーから説明するか、はたまた概要から説明するかというのは、人によって変わりますよね。
意外と、コピペしなければ全く同じ文章にはならないものですよ。
同じように、『記事タイトル』なんかもコピペしない方が良いです。似たようなタイトルが並ぶと、人は違和感を覚えます。
意味を解釈して自分の言葉でつくるか、流用するか。ここが、リスペクトとパクリの差です。
他のブログやサイトの画像を盗用または直リンク
画像には著作権があります。勝手にダウンロードして流用するのはNGですが、だからといって直リンクするのもNGです。
「いやいや、キュレーションサイトはやってるし」と思うかもしれないのですが、文章も画像も、コピペで流用する時は『引用』の条件を満たしている必要があります。
引用について詳しくお話すると、それだけで記事になってしまうので、ここでは割愛しますが……引用できる条件で一番気にしたいことは、『画像を引用する必要性がある』ということです。
オリジナルコンテンツに対して必要性がある場合のみに認められるので、そもそもコピペじゃダメな事は分かると思います。
また、ブロガーさんが使用している画像は、有料サイトでのみ、ダウンロードできる画像の場合があります。
これを直リンクしてしまうと、もう明らかにNGです。
まず、ブログで画像を利用する場合は、それが『著作権フリーであるか』、『商用利用がOKであるか』が明記されている画像を使うようにしましょう。
WordPress有料テーマなど、有料コンテンツを無料で手に入れて利用
これ、散々話題になった『有料コンテンツコピー利用問題』です。
Webとコピーコンテンツは切っても切れない関係で、私が知る限りの一番古い歴史は、コンピュータがまだ白黒で文字だけだった時代まで遡ります。
当時、『アルテア』という古いコンピュータが大人気でした。これは、『世界初のパーソナル・コンピュータ』と呼ばれています。
その上で動作する『Basic』というプログラムを開発するため、後のマイクロソフトとなるビル・ゲイツとポール・アレンが立ち上がります。
ところが、『アルテア』は飛ぶように売れたのに、マイクロソフトの開発した『Basic』は、まったく売れなかったそうです。2人の労働を時給換算すると、1時間でたったの2ドルだったそうな。
『アルテア』はハードウェアだから買うしかないんですが、『Basic』は紙のテープでコピーして、友人間で無料で取引されたんだそうです。
ビル・ゲイツがこれに怒って、『ホビイストへの公開状』というタイトルで1976年2月に書面を発表したのは、コンピュータ界の歴史に残っています。
友人間だから、ソフトウェアを無料で使っていいという事はないということなんですよ。
制作元の利益にならなければ、ソフトウェア産業自体が潰れてしまいます。有料のコンテンツは、ちゃんとお金を払って買いましょう。
『ブログをパクる』ということ
作り方、アイデア。こういった部分は、逆に積極的に利用して、より良いものを作れるよう努力するべきです。
この世の全てが利用不可能だとしたら、そもそもコンテンツの制作自体ができなくなってしまいますから。
色々書いてきましたが、総じて言えることは、『世の中に様々な情報を公開している人に、敬意を払うこと』かなと思います。
無意識下でやってしまう事があるかもしれないのですが、最低限そこにさえ気をつけておけば、自然とパクリもなくなるかなと。
私も常にビクビクしながら気を付けておりますので、知らずにやってしまう事については、やってしまったら気付き次第すぐに対応して、素直に謝罪するしかないと思います。
誠意を持って対応すれば、そこまでひどい事にはならないはずです。