上司のAさんがパワハラ気味で、いつも怒鳴られて辛い。
転職したいと思うけど、すぐに転職するのはまずいのかな……。
でもこんなんじゃ、1年も耐えられそうにないよ。
そんな悩みを抱えている人に。
転職理由の8割は人間関係だと言われます。
私も人間関係が原因で転職した事がありますし、中々難しい問題ですよね。
でも、転職先で良好な人間関係が作れるとは限らない。
そこで、逃げるべきなのかどうか……と、迷ってしまう方も居るのではないでしょうか。
この記事では今IT業界の人間関係で辛い思いをしている方に、『ではどのタイミングで辞めるのがベストか』という話をしたいと思います。
実際、私が転職を決意する時に意識しているポイントで、転職で役に立つシチュエーションは多いと思います。
IT業界には少なくとも10年以上は居て、転職も経験しています。今では採用担当にもなっているので、お役に立てれば嬉しいです。
それでは、さっそく本編に進みましょう。
Contents
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人間関係が原因でIT業界から転職しようと思った時、いつ辞めるか
結論、転職で最も最適なタイミングは、『今手掛けている仕事が終わった時』です。
なんとなく半年以上とか、3年は仕事した方が良い、なんて話もあります。
これらに直接的な根拠があれば、そちらに従うのも全然アリですが、無い場合はなんとなく従う必要は特にないです。
実際、私も最初の会社は入社半年ごろに転職を決意しました。
新卒就職後半年くらいだったら、転職先でも特にマイナスポイントで評価される事はなかったです。正当な理由がある場合に限り。
では、その『正当な理由』とやらをどのようにして作るのか。ここがポイントです。
手掛けている仕事が終わったタイミングは転職しやすい
今の人間関係が本当に悲惨で、いくらも続ける事ができない仕事だとしたら、すぐに辞めるのは仕方がないことです。
でも可能であれば、『今手掛けている仕事が終わったタイミング』で活動できると強いです。
なぜこれが強いかと言うと理由は2つありまして、
- 人間関係以外の転職理由を作りやすいから
- 終わった仕事が成果になるから
となります。
これが冒頭で言うところの、『人間関係以外の正式な転職理由』というやつです。
人間関係以外の転職理由を作りやすいから
転職理由のほとんどは『人間関係』だと言う通り、職場のトラブルはそのほとんどが上司・部下絡みですが、それは転職という観点で見ると、あまり理由にできないものです。
正直、「前の職場では上司のパワハラがひどくて……」という意見を言っても、あまり通用しない事が多いです。
なぜかと言うと、転職先ではまだあなたの人間性が理解されていないからです。
たとえば、テレビCMで「このお好み焼きめっちゃうまい」と流れていたとします。
そのお好み焼き屋さんに行って、友達に「ここのお好み焼きめっちゃうまいらしいよ」と言えるかというと、難しいですよね。
一方で、自分の好きな芸能人が「このお好み焼きめっちゃうまい」と言っていたとします。
この場合、友達に「ここのお好み焼きめっちゃうまいらしいよ」と言うのは簡単ですね。
つまり、同じ台詞でも、言う人の信頼度によって相手の理解は変わるという事なんですよ。
そう考えると、「前の職場では上司のパワハラがひどくて……」という台詞が相手からすると受け入れづらいことは、分かって頂けると思います。
自分自身の評価がまだ確定していない時に、ネガティブな意見はあまり共感されないということです。
人間関係以外の転職理由を作るのに、仕事が終わったタイミングというのは有効に働きます。
たとえば私の場合、
「前職では試験作業を中心に担っており、その会社ではその後も試験作業だけを請け負う事が中心だと知らされました。私はシステム開発に携わる事が目標だったので、環境を変えて挑戦しようと考えました」
という風に説明し、特に悪印象を与える事はありませんでした。
終わった仕事が成果になるから
もうひとつの理由は、『終わった仕事が成果になるから』です。
どんな仕事であっても、終わっていない仕事は成果として語る事ができません。
そういった面で、できれば転職するタイミングは、今やっている仕事が終わった段階だとやりやすいです。
特に案件を抱えている訳ではなく、終わりの区切りが明確ではない場合は、この限りではありません。
むしろそういった場合、特に仕事を続けていてもプラスになる事がないため、早々に転職を仕掛けたほうが有利という事があるかもしれません。
でも、案件を抱えていた場合は別です。
私も、転職を検討するタイミングは必ず、1つの仕事が終了する時期が分かった段階にしています。
あまりに案件の終了まで期間が短いと、次の仕事に組み込まれている可能性が高くなりますから、辞め辛くなります。
なので、大体2~3ヶ月以上、できれば半年くらい前に辞めることを考え始めると、会社にとってもあなたにとっても有利になります。
人間関係が悪くても無理なく転職するポイント
特に、職場の人間関係が悪くなっていると、転職しようにもできない時ってあると思います。
私も実際に転職を試みた時、多くの人はあまり良くない反応をされましたし、時には罵倒される事もありました。
そこで、人間関係が悪かった場合に無理なく転職するポイントをお話していきます。
ポイント①:上司の上司に話をする
まず、直属の上司よりも上の上司が居た場合。
あまり人間関係の良好ではない上司よりも更にひとつ上の上司と話をするのが、無理なく転職するひとつの手段です。
私はこれを追い掛けて行って、最終的に社長に直談判をする所まで行ったことがあります。
でも、結果としてそれは正解でした。この方が冷静な話し合いになりやすいです。
なぜそうなるかと言うと、直属の上司ほど実際の現場を共にしているので、あなたに辞められるとストレートに困るからです。
逆の立場なら、どうしても焦りが出ますからね。
もちろん、上司と無理のないコミュニケーションができている場合は、その上司に話をするのが一番です。
でも、たまにこちらの転職理由もろくに聞かずに、「それは会社に対する裏切り行為だ」と話す上司がいます。
この場合は少し注意が必要ですね。
転職したい人には転職したい人なりの理由があって、やむを得ずそうなっている事がほとんどです。
せっかく苦労して就職した訳ですから、できれば早期の転職なんかしたくないです。
そのため、『裏切り行為』というのは少なくとも、残される社員側の目線でしか見られていない、あまり両者にとって有益ではない意見です。
会社に残るのがその社員にとって苦痛だった場合、無理に引き止める事は果たして両者にとって正解なのでしょうか。
居心地の良い労働環境を提供できていない会社は、従業員に背いてはいないでしょうか。それは『裏切り』とは違うものでしょうか。
このあたりが議論できていないうちから、『裏切り』とか『本人のためにならない』とかと一方的に論ずるのは、明らかに価値を持ちません。
Win-Winの関係が作れないようなら、コミュニケーション失敗です。更にその上の上司を目指しましょう。
ポイント②:先に転職先の内定を取る
これは場合によっては難しい事があるかもしれませんが、できれば先に転職先を決めてしまうと、後がとても楽です。
会社を辞めたい時、大体引き止めるワードとして最初に言われるのが、「会社辞めてその後、どうするんだ」です。
その後がしっかり考えられていればその台詞に心を動かされずに済みます。
何より在職中の方が、転職はしやすいものです。
『考えなしに辞めた』というイメージは付きにくいですし、就職して人間関係が原因で辞めてしまうという、ネガティブポイントも隠しやすいです。
ただ、前述したように人間関係があまりにも悪い場合は、すぐに辞めたほうが精神衛生上良いという事はありえます。
悠長に転職先なんか探している場合じゃないという状況は、私も何度も聞いたことがあります。
たとえば、上司に命じられて残業を続け、夜中の3時になんとかタクシーで帰宅して、翌日は6時に出社。それが3ヶ月続いているとか。
毎日毎晩上司の飲みに付き合わされて、オールしてから再出社が続くとか。
日常生活が送れない上司。日常生活が送れない会社。これは正直、やばいです。
シンプルに過労死します。
こういった場合は、すぐに辞める事を第一に考えましょう。
IT業界の人間関係は難しい
いつも思うんですが、IT業界って人間関係の構築が難しいです。
たとえば報告ひとつ取っても、頻繁に打合せを行いたい人もいれば、必要事項以外はメールで、という人もいます。
どちらにもメリットはありますから、一概にどちらが良いとは言えません。
でも、この加減が難しいんですよね。まあ、デスクワーク全般に言える事かもしれませんが。
他人は変えられない、自分は変えられるという言葉もありますが、正直、自分の根本的な部分、主義主張の部分って変えられません。
もちろん、どちらが一番良いかで議論する余地はありますし、良い方に修正していけるのならそれが一番です。
でも、人と人が食い違う時って、○か×かが分かっている話よりも、AかBかで意見を違える事の方が多いんですよ。
どちらの立場も分かるからこそ対立する。そうでなければ、あまり議論って激しくならないんですよね。
なので、その主張自体が食い違ってしまう時は、基本的にはもう離れるしかないと、私はそう思います。
1人でも多くの方の、人間関係が改善されれば良いなと思います。
それでは。