小説って途中までは書けるんだけど、終わり方がどうもしっくりこないのよねえ……。
何かルールみたいなものがあるのかしら?
小説の終わり方って、どうすればいいの?
そんな疑問に答えます。
小説って書くには書けるんだけど、どうも終われない。気持ちのいい終わり方が分からない。どうすればいいの? そんな質問をよく受けるので、記事にしました。
Web小説を7年書いています。その中で、分かっている事を共有します。
この記事では、こんな悩みを解決していきます。
- 小説、どうやったら『終わる』?
- 終わり方で意識すべきポイントは?
- 既に書きはじめてしまった、『この小説』を綺麗に終わらせたい
私自身の小説では、ラストシーンについてわりと良いコメントを頂く事が多いので、きっと役に立つ事が言えると信じております。
それでは、本編に進んでいきましょう。
Contents
スポンサーリンク
【小説の書き方】終わり方で意識すべきポイントは2つだけ
結論、小説の終わり方で意識すべきポイントは、以下の2つです。
- 『解決』小説のテーマとなる課題が解決されたか
- 『結果』解決された結果、主人公の意識がどう変わったか
これを意識して小説を書くことで、すっきりとまとまりのあるラストを描く事ができます。
それでは、具体的にポイントを見ていきましょう。
ポイント①:小説のテーマとなる課題が解決されたか
まず、小説が『終わる』ためには、当然のことながら『始まって』いなければいけません。
ここで言う『始まり』とは、つまりその小説が掲げる『問題定義』のことです。
ほとんどの小説は、ストーリーの中で何か課題があり、それを解決するまでの一連の流れを描いたものとなっています。
そのため、小説が終わるためには、テーマとなる課題が解決されたと示す事が必要なんです。
傷付いた! 色々あった! 立ち直った! めでたしめでたし! みたいな感じです。
と、いうことは。そもそも小説が『課題』を抱えていない場合、終わり方に苦労させられる事になります。
たとえば、キャラクターから物語を作ってしまったがゆえに、ストーリーの核心部分がないままスタートしてしまった。
こんな時、『課題のない小説』というものがスタートします。
課題がないと、漠然と進行してしまった物語を収束させる場がなくて、どう終わったら良いのか分からなくなります。
核となる問題がないので、いくらでも続けられてしまうんですよね。
ドラえもんとかサザエさんが際限なく話を作り続けられるのと同じです。
もしこういった小説を書いていた場合、『どう終わったら良いか』は具体例の方で紹介していくので、先を読んでみて頂ければと思います。
ポイント②:解決された結果、主人公の意識がどう変わったか
また、主人公をとりまく環境の『変化』も、抑えておきたい大きなポイントです。
たとえば、『敵が強いから倒す!』といった事を課題にすると、『倒した先にあるもの』が何なのか、分からなくなってしまう事があるんですよ。
課題というのは、特に主人公、または周りの登場人物を取り巻く『障害』になっていなければなりませんから、その課題を解決した結果、どう変わったか? 何が良くなったのか? を書く必要があるんです。
課題が解決していても、その結果として何が良くなったのかが書いていなければ、読者としては消化不良で終わってしまうことになります。
たとえば、牛丼がとても食べたい主人公がいたとして。吉野家の牛丼を一生懸命食べる。食べる。ごちそうさまでした!
でも、『おいしかった』という感想がない。
こんな感じです。
ハッピーエンドだけではなく、バッドエンドでも重要なことです。その一連のストーリーがあった結果、一体何を感じて、どう考えるようになったのか。
課題を解決することも重要なのですが、結論を示してあげなければ、どうも中途半端なラストになってしまいがちです。
「まだちっとだけ続くんじゃ」という事でないのであれば、主人公や周囲の変化を描いてあげるようにしましょう。
具体的に、小説の終わりを書いていく方法
さて、小説の書き方、終わり方の部分では『解決』と『結果』を書くことが重要だよ、という話をしました。
でも、これだけを単に説明されたとしても、「あーなるほど」とは思うかもしれませんが、実際に活かす事は難しいですよね。
そこで、どうやって具体的に終わり方を描いていくのか、そこに焦点を当てて話をしていこうと思います。
まだ小説を書き始めていない場合
これから小説を書くんだ、今はまだプロットを立てている最中なんだという事であれば、これを解決する方法は簡単です。
まず、物語全体を取り巻くテーマを決めて、それを必ず『文章にする』という事を意識してみてください。
必ずテーマはひとつです。
『真実はいつもひとつ』を意識しましょう。『いつもひとつは真実』とか言うコナン君は役に立たないですよね。
プロットを書く時にここが意識できていないと、実は課題が『抽象的』であったり、『複数』あったりといった問題が発生します。
しかも、後から発生して困る事が多いです。
たとえば、有名なのは『主人公は何を成すのか』といったあらすじになるケースです。
長編だからといって、主人公が様々な課題に遭遇するのは良いとして、メインとなる大元の『問題提議』がぶん投げだとすると、気持ちのいいラストシーンを作るのは急に難しくなります。
4コママンガって、ストーリーものでなければラストを作るの、すごく難しいですよね。あんな感じです。
まあ短編の集合体として話を作っていくのであれば、キリが良い所で終わればそれで済む話です。
ただ、壮大な長編ストーリーを考えているという事であれば。全体のお話を通して、主人公がどういう目的を持って進んでいくのか。これを意識すると、終わり方がイメージできるようになってきます。
そうは言っても、既に小説を途中まで書いてしまった
さあ小説を書きはじめて文章に起こし、Webにアップもしてしまった! 結構なボリュームにもなって、読者もそれなりについている! でも終わり方が分からない!
といったケースも、やはりありますよね。
この場合におすすめなのは、まず『シリーズ最大のヤマ場』を作るということです。
途中まで書いてしまっている訳ですから、小説全体としてのテーマを今から用意するのは絶望的に大変なことです。ここで無理にテーマを作り出してしまうと、存在していなかった伏線がひたすら登場しまくる小説になってしまいます。
『実は主人公が持っていた剣は聖剣エクスカリバーだった!』みたいな感じです。
この場合は無理せず、『一番おもしろい章』をラストに持ってくる事を考えましょう。
いきなり終わろうとするのではなく、終わるためのストーリーを一本書いていくイメージです。きちんと下がって上がるシナリオを用意した方が、自由度が上がります。
たとえば主人公の過去に言及して大きな課題を作ってみたり、これまでのシリーズを通して共通点を洗い出し、それを課題にしてみたりと、色々なバリエーションを作ることができるようになります。
この方法が一番おすすめですね。
実際私も、大きな核心部分をかっちり決めないまま小説を書き始める事はあります。なんとなくイメージはしてあるんだけど、はっきりとしていないケースですね。
でも、なんとなく頭の中には『こんなストーリーをどこかに挟みたいな』という希望はあって、それを途中から実現していく感じです。
これは、終わり方に慣れている必要があるので、少し上級者向けではあります。
小説の終わり方は、その話で『何を伝えたいか』を明確にすること
ここまで、小説の終わり方についてお話してきました。
『解決』と『結果』、この両方に共通しているのは、その物語で『何を伝えたかったか』を明確にするということです。
読者へメッセージを伝えるためには、少なくともそのメッセージが『言葉』になっている必要があります。
なんとなくカッコいい、派手な、すっきりとした、といった感情的なイメージは先行するものですが、ぐっとこらえてここは、『言葉にする』を徹底していきましょう。
あのラストシーンは見事だったよなと、そう言われるような小説がどんどん増えていくことを願っています。
そして、私にもそれを読ませてください!