小説の書き方

【小説の書き方】オチを綺麗に作る方法【20年の研究成果】

レベッカ

いまいち、オチって綺麗に作ることができないのよね。

そもそも『オチ』って何なのかしら……?
どうやって作れば良いの?
必ず面白くないといけないの?




そんな疑問を解決します。


小説のオチって、かなり悩む部分ですよね。

なんだかだらだらと続けてしまった結果、どこにも辿り着けず話が終わってしまう……。そんな経験を持つ方も、多いのではないでしょうか。


この記事では、『オチとは何か?』から始まり、『どう作れば良いのか?』という所までを解説していきます。


私は小さな劇団を運営していた経験があり、舞台脚本からWeb小説に移行し、今日まで7年ほど小説を書き続けてきました。

ファンタジー・SF・恋愛・トリック・現代ドラマと、勉強しながら書いてきた作品の数は多いので、知識の面ではご協力できる事が何かあるはずだと思い、この記事を書いています。


それでは、さっそく本編に進みましょう。

Contents



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そもそも、小説における『オチ』って何なのか?

まずは、今回扱う『オチ』という題材の定義から入りたいと思います。

というのも、『オチ』というのは元々小説から来た言葉ではないので、人によって認識している意味合いが変わることがあります。

どういう種類があるかというと、主には以下の2つです。

『オチとは?』

  1. 話の『結末』部分
  2. 話の『最も面白い』部分


一応、本来の言葉の立ち位置から考えていくと、これら両方の意味を持つのが『オチ』という言葉です。

なのでこの記事では、話の『結末のうち、最も面白い部分』だと考えて書き進めていきます。

元々は、『落とし噺』で使われる言葉だった

『オチ』というのは、元々は『落とし噺』で使われる言葉でした。

落とし噺というのは、滑稽な話を中心にした、現代で言う所の落語に当たるものです。

なお、落とし噺の場合は『落ち』と漢字で書きます。


元々は落とし噺、つまり滑稽なネタを扱うものが『落語』と呼ばれていたのですが、最近では色々な種類の落語が増えたので、一概に滑稽なものだけを扱う訳ではなくなりました。

落とし噺で言う所の『落ち』とは、すなわち物語の結末に当たる部分で、多くの場合、笑えるものを中心に描かれていました。

ちなみに落語では、落ちではなく『サゲ』と言います。


これが映画やマンガなどの作品に派生して使われるようになり、『オチ』とカタカナで表記されるようになった、という経緯があります。

なので、『オチ』というのは物語の結末に当たる部分で、最も面白い部分をさしている事が多い、というわけです。

オチの『面白い部分』とは

ところで、当初こそ笑いを中心にした作品が多かったものの、現代におけるオチというのは必ずしも『笑える』ということではなくなっています。

感動を結末に持ってくる小説では『感動オチ』などと呼ばれますし、『出オチ』『爆発オチ』などとも言われますよね。

もはや『出オチ』に関しては結末ですらありませんし、『最も盛り上がる部分』という意味で使われる事もあるようです。


ここで1つ、分かる事があります。

小説で言う所のオチとは、つまり『作品のテーマに最も関わってくる、最も盛り上がる部分』だと捉える事ができ、こう考えるとうまく行く事が多いです。


つまり、「小説を書くぞ!」と決めた時からオチについてある程度考えておかないと、後から作るのは難しい項目でもあるわけです。

小説を書き出す前にこれを意識しておくだけで、かなり事情が変わって来ます。

小説のオチを綺麗に作る方法

さて、オチが何なのかの定義がある程度できたところで、本題に入ります。

オチを綺麗に作るためには、いくつか意識しておかなければならない事があります。

  1. 小説を書き始める前にオチを作っておくこと
  2. テーマにかかわる、最も強い意識を持ったシーンにすること
  3. できれば、冒頭から伏線を張っておく事が望ましい


そこで、これらについて詳しく説明していきます。

1.小説を書き始める前にオチを作っておくこと

少し手前でも触れたのですが、小説を書き進める中で「オチはどうしよう」と考えるのではなく、小説を書き始める前の段階からある程度、構想しておく必要があります。


よくある手法は、『むしろオチから逆算して考える』というものです。


オチというのは結末に最も近い部分で、最も盛り上がるシーンをさすことが多いです。

これはつまり、純粋な結末よりもほんの少し手前です。ここにターゲットをピンポイントで定めて、話を作るんです。


長編ならば、『文庫本一冊分』など、ある程度話の区切りが付く段階。

短編ならば、クライマックスそのものを考えます。

そこから話の全体像を連想していきましょう。


しかしながら、この方法についてお話すると「冒頭からじゃないと書けない、オチからなんて思いつかない」と思う方が一定数必ずいます。

でも、登場人物がいて世界観があり、テーマもあるのなら、そこからオチを連想するのはとてもたやすいことです。


オチから小説を考える時は、テキストエディタではなく、マインドマップなど『序列を作れて上下の入れ替えが楽な』ツールを使いましょう。

マインドマップには縦のリストにして管理する方法があり、これを使うとシーンごとに話を考えられるようになるので、グッと構成が作りやすくなります。

マインドマップの使い方については別の記事で書いているので、そちらも参考にして頂ければ。

参考小説プロットの書き方を、具体的に例を出して説明する【初心者向け・マインドマップも使います】

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2.テーマにかかわる、最も強い意識を持ったシーンにすること

次に重要なのは、『テーマにかかわる、最も強い意識を持ったシーンにすること』です。

小説のクライマックスは、物語を盛り上げて結末まで読ませるために最も重要な場所です。

くれぐれも、他のシーンが主張しすぎてクライマックスが色褪せないように注意しましょう。


オチに近い内容が沢山出現してしまうという問題ですね。

起承転結で小説を書いている場合は中々起こらない事ですが、映画などで使われる三幕構成を使って小説を作っていると、わりと発生する出来事です。

物語のテーマ、つまり核心にかかわる事は、物語の中では大切に扱わなければいけないもので、これが中途半端に登場すると残りのシーンが蛇足になってしまいます。

これを回避する方法は、『オチに向けて伏線を巡らせる』というのを意識することです。


つまり簡単に言うと、クライマックスに向けていくつものストーリーを結びつけていくという事です。

これを作るためには、やはりマインドマップなどを使って、シーンごとに小説のプロットを管理していく必要があります。


なぜかと言うと、関係のないシーンがいかにも伏線のように登場すると、クライマックスに関係がない部分は「あれは伏線じゃなかったのかな」と考えられてしまうことで、読了後の満足感が下がるからです。

読者は想像しながら作品を読むので、絶対に回避できるものではありませんが、わざとらしい伏線が実はクライマックスに行っても回収されない、という事はないようにしましょう。

重要なのは、小説を書くにはどうしても時間がかかるので、きちんとプロットを紙に書いて管理しなければ、『無駄がない構成』を作るのは意外と難しいということです。

やったことがない方は、ぜひ一度、『プロットを紙に起こす』というのをやってみて頂きたいな、と思います。

3.できれば、冒頭から伏線を張っておく事が望ましい

手前の項で『クライマックスに向けて伏線を張っていく』という方法を紹介したのですが、実は冒頭に張られる伏線は、作中で最も重要です。

なぜなら小説を読んでいく時、一番最初に起こった事というのは、最も最後まで覚えている可能性が高いからです。


「そんなことは無いだろう。どこを覚えているかなんて分からないものだ」と思う方に、ひとつ実験をしてみたいと思います。

あなたが思い出せるようで思い出せない、ギリギリ覚えている曲というのをいくつかチョイスしてみてください。

それを歌う事になった時、サビの次にどこを強く覚えているでしょうか。

もちろん人によりますが、『冒頭の数フレーズなら覚えている』という方も多いのではないでしょうか。


これは、『一度記憶した事と非常によく似ているものは覚えにくい』という記憶の習性で、音楽の場合はメロディーラインが反復するため、余計に後から来るものが覚えにくくなっているんです。

このことから、小説も前か後なら、より前に出てきたモノの方が覚えておきやすい、と想定する事ができます。

なぜなら、『似たようなシーン』かどうかを判断するのは読者だからです。


クライマックスを印象の強いものにするためには、どうしても伏線が必要になります。

でも、その伏線が「あれ? そんな事、出てきたっけ……」と思わせてしまうようなものでは、狙った効果が生まれません。

私達は、できれば「そ、そういうことだったのか!!」と思って欲しいですよね。

そのために、なるべく早い段階からクライマックスへの伏線を仕込むようにしましょう。なるべく、強烈な方法で。


あ、ただし、『類似するものは覚えにくい』という側面がある一方で、『全く同じものが反復すると覚えやすい』『関連付けられたものは覚えやすい』という側面もあります。

記憶の習性を上手に使って、より強烈な伏線を作っていきましょう。

小説におけるオチは必ず面白くないといけないのか?

さて、ここまでオチについて書いてきましたが、最後に「そもそもオチってなんで作らないといけないの?」という疑問について答えていければと思います。


最後は少しだけ私的な解釈が混じってしまうのですが、極論オチというのは『テーマに対しての狙った結末』だと捉えると、成功する事が多いように感じます。

必ずしも激しく盛り上がるとか、笑えるとか泣けるとか、そういった要素が無ければいけない、という事ではないです。

そういう事ではないんですが、オチは小説をけじめる上でとても大切な部分ですから、『何も狙っていない』というのがよくないです。


たとえば生まれたものには必ず死があるように、私達は何か書きたいテーマがあってこそ物語を作るわけですから、テーマに対しての言わば『回答』に近いものが無ければ、少なくとも読者の満足度は低くなってしまいます。

そういった視点でいれば、『笑える』『泣ける』といった固定的な表現から一歩抜け出して、実は様々な表現の方法があることが共有できるはずです。


自分が追い求めたモノをひとつの形にするためにも、オチとはそういった解釈なんだ、必ずしも読者ありきのモノではないんだ、とご理解頂けたなら、きっと創作が楽しくなってくると私は信じています。


それは、本当の意味での『面白さ』に貢献してくれることでしょう。

現場からは以上です。

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