- プログラミングを学びたいけど、Progateの有料版ってどうなんだろう?
- Progateで何ができるんだろう?
- Progateを利用したら、どこまでできるようになるんだろう?
今回はこんな疑問がある方向けに、ざっくりとProgateについてレビューしていきます。
Progate、けっこう色々なサイトで初学者向けとして紹介されていて、気になりますよね。
私もそう思ったので、実際に課金してみて、有料版を全コース触ってみました。
その結果、思ったことが沢山あったので、今回はその概要部分についてお話します。
参考までに、レビューしている人物像について。
私は『エンジニア』と呼ばれる職に就いてから10年ほど経過しており、企画・設計を中心に担っています。
上流層だけでなくコーディングやテストもやりますが、仕事の割合的にはエンジニア技術よりも営業・マーケティングに寄っている、という人間です。
今回は、こんな流れで進めていきます。
- Progateの有料版はおすすめできるのか
- 有料版Progateを使う事によるメリット・デメリット
- お金を払うほどの価値があると思うか
これからProgateを使いたいという人の検討材料になれば良いなと思います。
それでは、本編に進みましょう。
Contents
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結論:Progateの有料版はおすすめできる?
いきなり結論ですが、Progateの有料版はわりと自信を持っておすすめできます。
もちろんここには個人的な見解が含まれますが、私としては良いなあ、と思ったんですよね。
その理由は、以下の3つです。
- プログラミングを実践から学ぶことができる
- 説明資料と実践の間隔がすばらしい
- 環境構築が必要ない
私もたびたび、会社やプライベートでプログラミングを教える機会があります。
その時に苦労した、『どうすれば人に伝わる説明ができるのか』や、『詰まりやすいポイントが何か』ということが、だいたいProgateだけで解決できてしまう。
これってけっこう大きな事だと感じます。
それでは、3つの理由について深堀りしていきましょう。
1.プログラミングを実践から学ぶことができる
初学者というと、ついつい「まずは本を一冊読んでみよう」や、「何もわからないからインプットから始めてみよう」などと思ってしまいがちです。
もちろん、スタートはインプット以外にやれる事がないので、これは全く問題なしです。
でも、「全てがわかるまでインプットを続けよう」と思うと、これはけっこう難しい。
本を一冊読んでも、プログラミングの全体像はつかめない事が多いです。
もちろん概要を知ることはとても大事で、インプットを否定する気はまったく無いのですが、初学者ほど、ついつい『記憶』に走りがちです。
日本で習う学習方法に由来するのだと思いますが、特に用語の暗記は入って来にくいです。
英語の本を読んでも、英語が喋れるようには中々なっていかないのと同じで。
ではどうすれば良いかというと、『わかる部分から実際に使っていく』と、徐々に技術を覚えていきます。
実際私が教えていた時も、まずはHello Worldから、画面に文字をプリントする所から始めていました。
大体ですね、「Hello Worldを出力してみましょう」と私が言うと、初心者ほど「いや、さすがにそれはわかるよ」って言うんです。
これ、実は大きな落とし穴なんですよね。
読んで理解できたとしても、あとで検索できるようにならないといけないんですよ。
エンジニアの仕事の5割以上はググることだと言われます。
読んだだけの知識って、半年も経つと検索できないほどに忘れてしまうんですよね。
このとき実際にプログラムを作っていると、たとえば「ああ、print文というのがあったなあ。書き方どんなんだっけ……」と思い出すきっかけが増えます。
ここがとても重要だと、私は感じております。
まあprint文の場合は存在自体を思い出せない事って中々ないのですが、それでも『覚えたことを使う』という習慣を付けるために、この「Hello World」から始めてみるのが大事です。
Progateは、自然にこの流れを実行せざるを得ないという所が強いと感じています。
2.説明資料と実践の間隔がすばらしい
さて、前項で実践することがなぜ大事なのかをお話したのですが。
先程の例のように、人によって実践したくなる間隔というのは違いますよね。
Hello Worldから書く人もいる。四則演算から試す人もいるし、人によってはいきなり関数から入るかもしれない。
しかし、長すぎる間隔はその分、忘れやすさに繋がります。
できれば細かく試していった方が、身になりやすいです。
Progateを使った場合、この『実践間隔』というのが中々うまく作られているんです。
ひとつの説明ブロックが、ちょうど一時的にでも覚えていられる量になっている。
一部、「ちょっと覚えることが多いんじゃないか……?」と思う事もありましたが(Ruby on Railsコースとか)、まあ許容範囲内かなあ、と。
この『自分が一時的に覚えていられる範囲』というのがものすごく大事です。
まだ自分の記憶の範囲がどれくらいかピンと来ていない方は、ぜひ色々試しながら最適な量を検討してみてください。
自分で実践間隔が選べる環境だと、大体の場合は間隔が広すぎて、できるようになった実感が湧いてこないです。
私が長い間、プログラミングを覚えられずに苦戦した理由でもあります。
私がプログラミングを学んだ時は、今のように学習サイトなんて無かったので、3年くらいはこの壁に当たっていました。
いい時代になったものです。
3.環境構築が必要ない
Progate反対派の意見として、「環境構築がないから、実際には役に立たない」という事があるかと思います。
環境構築、やっぱりプログラミングをやる上では外せないんです。
それは間違いないのですが、では『初学者が環境構築から始めるのがベストか』というと、そんなことはないであろう、というのが私の意見です。
ここは意見が分かれそうです。
私の意見としては、『初学者はプログラミングがやりたい』という事があります。
モノを作りたい方向に意識が向いているのに、モノを作る準備で1日が終わってしまう。
これは、心が折れる大きな要因です。
初学者は実際、プログラミングが自分にできるかどうかすら分かっていないんです。
それなのに、『プログラミングをやるための環境』が作れない。
「ああ、こんな所でつまづくなんて。やっぱり自分には無理なのかな……」
こういった現象を、それなりに見てきました。
なので、先にプログラミングの実際のところが学べた方が、モチベーションが上がるだろうと思います。
まあ最近は環境構築も様々な紹介コンテンツが増えて分かりやすくなったなあと思うので、以前よりはハードルが低いかもしれないですけれども。
有料版Progateのメリット・デメリット
さて、有料版Progateが初学者におすすめできる理由について書いていきました。
ここからは、有料版Progateを使った場合のメリット・デメリットについてですね。
他の学習教材を比較対象にしながら、お話していければと思います。
- 有料版Progateで学習するメリット
- 有料版Progateで学習するデメリット
- 無料版との違い
こういった順番で、3点お話していきます。
有料版Progateで学習するメリット
けっこう沢山あるかと思うので、列挙していきますね。
- 環境構築なしでプログラミングを体験することができる
- 実際に触って、「ああ、こういうものか」と実感することができる
- わからなければすぐに解答を見ることができる
- 『解答』と『自分が書いたコード』が比較できるので、学習スピードが高速
- 様々な言語を選んで学ぶことができる
さて、Progateをやった事がない方からすれば「解答ってなんだ?」と思うかもしれません。
Progateは与えられたプログラミングの課題に対して、それが解けなかった場合に解答を見ることができるようになっています。こんなふうに。
解答と自分のソースコード間で比較ができるので、どこが間違っているのかを視覚的に知ることができるんですよ。
これもけっこう賛否両論あるみたいですが、私としてはあった方が良いと感じます。
「実際のプログラミングでは解答を見ることなんてできないから」というのが、否定派の意見のようです。
まあ確かに実際は解答なんて無い訳なんですけれども、それでも解答があった方が良いんですよね。
プログラミングって結局の所、延々とググッて解答を探し続けるのがメインパートみたいになってしまうんですが、この『ググる方法』も、最初のうちってあんまりピンと来ないんです。
りんごの事を知らない人が、『ふじ』とか『王林』について検索できないのと同じですね。
ちょっとイメージでお話してしまうのですが、たとえば最初のうちって、この『ふじ』とか『王林』に当たる手前のことがわからないんですよ。
だから、ググるきっかけがない。りんごに種類なんてあったのか! という感じです。
りんごは全部りんごじゃなかったんだ!
なので、こういった事を解決してくれるProgateは、プログラミング学習の入口としてかなりレベルが高いと思っています。
有料版Progateで学習するデメリット
さて、それではProgateを初学者のおともに選んだ場合に、デメリットになる事を見ていきましょう。
- 一緒に学ぶ仲間がいない
- 教師がいない
- サボっても誰も怒ってくれない
- うっかり放置するとサブスクリプション費用がどんどんかかる
- Progateを終えても直接仕事にはつながらない
こんな所でしょうか。
特に、『仲間がいない』『教師がいない』『サボっても誰も怒ってくれない』このあたりは正直、大きいとは思います。
これらのデメリットをすべて解消するなら、現状はプログラミングスクールしかないです。
過去に値段と有名な所をまとめた記事があるので、これについては以下をご参照ください。
現役エンジニアが未経験IT転職のポイントを3つ解説する【初心者向け】
ただ、私の本当に個人的な意見になってしまうんですが、学習って基本、孤独なんですよね。
だから、仲間がいなくても学習するクセを付けておくのは大切かなあと思います。
Progateがいいとか、プログラミングスクールが良いとか、一概には言えないですね。
このあたりは、『どれだけ早くプログラミングを覚えたいのか? 働きたいのか?』というニーズによるのかもしれません。
有料版と無料版の違い
最後に、「無料版では学べないの?」という意見がありますので、これも書いておきます。
無料版では、様々なコースにカリキュラムが組まれておりますが、そのうち最初のレッスンだけを受けることができます。
たとえば、学習コースに『Python』を選んだとすると、基礎的な文法の知識は無料でも学べる、といった感じです。
これについては、私の個人的には有料版一択、という意見を持っています。
次の項にも詳しく書きますが、プログラミングにおいて基礎的な文法を覚えた段階というのは、たとえば登山の準備を整えたようなものだと考えておいた方がよいと思います。
これを使いこなそうと思ったら、文法を学んで形を覚え、さらにいくつもの文章をその身をもって体験し……となりますよね。
プログラミングにおいて少なくとも重要なのは、『完成まで作った』という体験の量です。
これが、無料版では感度がわからないほどに少ない。
なので、『どうしても無料で学習したい』と思うのであれば、自分の手で環境構築して、Webサイトの『○○言語入門』みたいな所から1つずつ進めていく方がよいと考えます。
Progateの有料版って、結局高いんですか?
さて、最後に「でもお金かかるよね」という部分について触れていきます。
Progateの有料版はお金がかかります。
税込で、1080円/月(税込) くらいです。
では、これって費用対効果はどうなのでしょうか。
人によって高い安いという価値観はそれぞれなので、意見が分かれるかもしれませんが……でも、私は安いと思っています。
実際やってみたら、2ヶ月ほどで全コースを終えることができました。
なので私の場合は、ざっくり2千円くらいです。
経験者という事を考えると、0ベースの初心者はもう少し時間がかかるかもしれません。
安く終えるにもコツが必要です。
そのあたりを深堀りしていきます。
解答をバンバン見て、高速で終わらせよう
まず、Progateをやってみて感じたのが、『わからなくて悩むくらいなら答えを見たほうが良い』ということです。
自分の頭で考えるのが大事というのは、もちろんあります。なので、まったく何も考えるな、という事ではないです。
でも、うんうん唸って1日終わるくらいなら、さっさと解答見たほうが理解は速いですよ。
ケアレスミスだったり、ぶっちゃけるとProgateの仕様的な問題で、書かれていない事が問題になっていたりします。いやほんとに。
とくにHTMLの道場編あたりは、怒りのあまり麦チョコぶちまけたくなるような気持ちでした。
いや、私が単なるケアレスミスをしていた回数の方が多いんですけどね。
繰り返しますが、答えを見ても良いのです。
プログラミングは、まず実際に書いてみて、その全体像を頭に思い描けるようになる所から始まります。
なぞなぞやクイズとは毛色がかなり違うんです。
そこで「お? もしかして分かってきた?」というタイミングが1度あり。
まあこの段階では実のところまったく分かっていないんですが、そこから端々の知識を理解して、理解の木が少しずつ、育っていくんですよ。
そして、ある時色々な知識が1つにまとまって、花開く時が来ます。
何を作るために何を準備したら良いのかが、明確にイメージできるようになってきます。
プログラミングは、ここからが本当におもしろい所です。
ただ、解答を見るのは良いんですが、『全然理解できない』という事が無いようにしてください。
動くのを確認した上で一度消して、あらためて自分の力で書いてみてください。
わからないなりにググッてみるのも結構有効です。
Progateは、本を一冊買うより安いです
ということで、私の場合は全コースやったので、おそらく自分がやりたい言語の1コースなどで良ければ、初学者でも2~3ヶ月程度で終わる内容だと思います。
2000~3000円くらい。うーむ。
だいたい、本を一冊買うのと同じくらいの値段ですね。
やっぱり、安いと思いますね。
この値段で、知識が得られて実践までできる環境って、ほとんどないと思うんですよ。
なので、Progateは値段の面から見ても、おすすめできるかなと思います。
最近だったら、サブスクリプションに加入している方、けっこう多いのではないでしょうか。
だから、たとえばゲームやYoutubeなんかに課金していたお金を、一度そちらに移すとかですね。
そうすると、ゲームに費やしていた時間をプログラミングの勉強に回せるので良いかもです。
そうだ、Progateをやろう。
Progateの有料版についてのレビューでした。
この記事を読んで、「そうだ、Progateをやろう」という後押しになれば良いなと思いながら書きました。
私は別にProgateの回し者ではないですし、特にこのサービスに熱い思い入れとか、そういうものがある訳でもないです。
この記事だって、別にProgateから1円ももらってないですし……。
ただ、月1000円を払うかどうか迷って、プログラミングを学習する機会を失っている方がいるとするのであれば、これは非常にもったいない。
1ヶ月でもいいから触ってみて、自分に合わないなと思ったらやめればいい。
Progateは、そういう事ができる金額だと思いますよ。
むしろ、Progateを終えた後の方がずっと大切です。
得た知識を使って、自分が思うものを開発していく流れですから。
それでは、今回はこんなところで。