ベンチャー企業に入った人って、結局その後どうなっているんだろう?
『若くして成功するためにはベンチャー』なんて言うけど。
本当に、1,000万以上なんて貰える可能性があるの?
他の企業で通用する?
ベンチャー企業に入った人が、実際にその後どうなったのか。気になる方もいるかと思います。
ネットで見ると、『若くして大成功』もしくは『転職して大失敗』なんて記事をよく見ますね。現実味がないように感じる事もあるのではないでしょうか。
私はベンチャーに入って10年以上経ちますが、キリが良いところで10年と表記しました。
今回は100%体験談、つまり事実ベースで、良いことも悪いことも含めて、ベンチャーに入社したその後のお話をしていきます。
もしベンチャーに転職しようと考えている人がいるなら、体験上ここだけは伝えたいという事を凝縮しましたので、良ければ先を読んで頂ければ幸いです。
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ベンチャーに入って10年経った人のその後【体験談】
まず、ベンチャーに入って10年経った結果、今はこんな生活をしております。
- 賃貸で車があって、専業主婦と子供が居て貯金できるくらいの資金力
- 副業して、起業のための下準備をしている程度のスキル
- 土日はあるが仕事をしている、休みは基本なし
- 痛いことを経験しすぎて感覚が麻痺した
- 友達は消えた
ということで、こんなエピソードを順番に語っていこうと考えています。
まあ価値観は色々あるとしても、生活はそこまで悪くないです。生活が悪くない代わり、色々なものが犠牲にされている感はありますが。
表と裏が一体になっているので、仕方がない部分もあると思っています。
賃貸で車があって、専業主婦と子供が居て貯金できるくらいの資金力
具体的に給料がいくらですというのはあまり好きではないので、伏せておこうと思います。
……給料で見ると別段大成功もしていないし、大失敗もしていないしで、正直面白味があんまり無いんですよね。
一部の記事で、「ベンチャー企業で成功したら1,000万~1,500万の収入も夢ではありません!」なんて言葉を見た気がしますが、会社によります。
そもそも社員の給料は社長が決めているので、『ベンチャー企業だからいくら』という事は基本的にないです。
あんまり夢を見すぎないようにしましょう。
会社が倒産しないように頑張っていたからか、専業主婦の奥さんを抱えても生活が成り立つ程度には稼ぐ事ができています。
でも、私の周りでベンチャーに所属している人の中には、けっこう厳しい給料で生活をしている人たちが沢山いるので、これもやっぱり会社によるなあと思います。
会社が裕福になっても社員が裕福になるとは限りませんが、会社が裕福でないのなら、社員は必ず裕福にはなれません。
うーむ。厳しい世の中です。
副業して、起業のための下準備をしている程度のスキル
ベンチャー企業って基本何でもやるので、副業で困る事ってあんまりないです。
見積もりも請求書も書きますし、契約書だって自分で書くことがあります。
とにかく資料に起こさなければ始まらないので、頭の中にあることを資料化して人に伝えるスキルはかなり磨かれた感があります。
こうした書けるスキル以外にも、逆境に負けず踏ん張る根性であったり、仲間が失敗してもそれをフォローするメンタルであったりというのは、だいぶ鍛えられましたね。
今は新たに事業の柱となる仕事を作り出して、自分で会社を持てたらなーと思い、色々なことを実践中です。
とりあえず何でも始めてみて、自分に相性が良さそうなもの・成功したものから手を広げていく作戦でやっています。
ベンチャーに入る前は、やりたい気持ちはあるけど具体的にどうして良いのか分からなかったので、それが違いですね。
資産運用や投資、個人で仕事を受けるメンタル上のハードルなどは、ベンチャーに入ることでかなり下がった印象があります。
結局一緒だなあと。そう思ったら、やれる気がしてきますよね。
土日はあるが仕事をしている、休みは基本なし
休みはないです。会社の仕事以外に個人の仕事もしているので、朝は6~7時に起きて、夜は2~3時に寝ます。
月~金までそれで過ごして、そうすると体がかなり悲鳴を上げ始めるので、土日の朝はゆっくり寝るけど、起きたら仕事開始という感じです。
どの道、起業したいなら休みの事なんて考えていられませんからね。誰かにやらされている仕事という訳でもないので、ストレスは特に感じていないです。
私は気合いで睡眠時間を削ることで家族との時間を作っていますが、けっこう限界が来るので、正直あまりおすすめはできません。
子供が小さいなら、家族との時間か副業のどちらかを犠牲にしないと、ちょっとしんどいです。
そうするとどうしても、家族優先になってしまうんですけども。
『プライベートの時間を大切にしたい』、『趣味の時間が必要』という方には、あんまり向かない生活だと思います。
この生活を続けていると体を壊すので、睡眠時間は確保した方が良いですね。
痛いことを経験しすぎて感覚が麻痺した
ベンチャーに居るとなのか、会社によってなのか分かりませんが、普通に働いていたらあまり経験しないような事を、沢山経験しました。
たとえばお客さんにガチで脅されるとか、メンバーが文字通り気をおかしくしてしまったとか、あらぬ疑いをかけられて弁護士から賠償通知が来たりとか……。
いずれも負い目は無いので極力冷静に対応するのですが、まぁ辛いです。
他にもベンチャーに居ると、トラブルが発生した時に『見て見ぬフリをする人と立ち向かう人』というのが、かなり明確に分かれる事になります。
『客先でトラブル発生! 応援を求む!』と周知しても、助けに来てくれる人がいない。
人に聞いても、誰にも解決できない。だから1人でどうにか調べる。
こういう事はザラにあって、それを乗り越えて自分の成長を実感するたび、達成感と、妙な虚しさを実感します。
これからグループで起業したいと考えている方。その仲間は、本当に信頼できる人ですか。
自分が崩れそうな崖に捕まっている時、助けに来てくれる人ですか。
成功している時、成功しそうな時だけの協力者ではありませんか。
助けることでその人に害が及ぶとしても、助けてくれますか。
自信が無ければ、その人とは起業しないほうが良いです。いや、本当に。
友達は消えた
こういう生活をしていて、土日も遊びに出たりという事はほぼないので、友達は去りました。
付き合いが悪いので仕方がないことです。流行りのゲームとか芸能人とか趣味とか、そういう話が一切できなくなるんですよね。
仕事や副業の話をしても、特に興味がない人からすると「へえ……」で終わってしまいます。
収入だけは地味にあるので、お金の匂いを嗅ぎつけた人に一定期間やたら仲良く振る舞われたりとかはあります。
でもネットワークビジネスなどはやる気がまったく無いので、結局離れていきます。
事業を始めたい人が、共同創業者として投資して欲しいと言ってくる事もあります。
でも起業のプランを聞くと、私からするとあまりに……という内容で。
見込み顧客のターゲットも決まっていないし月の支出もちゃんと計算されていない、集客方法もよく分からないし確定申告もした事ないけれど、何故かお高めの値段だけが設定されていて、「○○人に売れれば生活できる」と考えているんです。
で、自分にはその辺りが分からないから、手伝って欲しいと言うのです。
その辺りってどの辺りよ。全部じゃん……。
というわけで、友達はできないです。
友達が欲しいのであれば、プライベートな時間を自由に使える仕事をした方が幸せになれます。
それか、突き抜けて成功するか、どちらかです。
ベンチャーに行った人のその後。
さて、成功しているのか失敗しているのかと言われると、いまいちどちらにも寄らない事が分かるかと思います。
『ベンチャーで成長しよう!』なんて言いますが、突き抜けて成功するか失敗するかではなく、私のような人間もいるのだという事を、ここに報告しておきます。
でも報告されていないだけで、こういった中間層、けっこう多いのではないでしょうか。
結局、どれだけ成功って言っても会社員ですからね。年収1,000万を貰えるようになるのがかなり大変という世界で、遊んで暮らせるという事もないです。
仕事にフォーカスした分の時間を、趣味には投資できないのですから。
それでも、アピールできるポイントがかなり多くあるので転職はまったく怖くありませんし、キャリアアップもできるだろうと思います。
副業もしている訳ですし、既にフリーランスの道も見えています。といっても不安定にはなるので、独立するかどうかは検討中ですが。
がんばった分だけお金が増えていくというのは楽しいです。
ということで、仕事に振り切った人生も、私は悪くないと思っています。
ここを良いと思えるかどうかが、ベンチャーでうまく行くかどうかの境目かもしれませんね。
自分が求める人生設計によって、成功か失敗かというのは大きく分かれてくるものです。
いずれにしても、ベンチャーというのはライフスタイルがピーキーになるので、これが良いと思える人だけ挑戦して頂けたらよいのかなと。
現場からは以上です。