ベンチャー企業を立ち上げたいと思ってる。
でも、特に事業のアイデアが出てこない。アイデアがないとベンチャー企業も何もあったもんじゃないし……。
ベンチャー企業をやっている人は、どんなアイデアを出しているんだろう。
これには様々な回答が出てくる事を知りつつ、私も一説公開したいと思います。
ベンチャー企業で10年以上働いています。当初は倒産間近でしたが、黒字化して事業を立て直す事に成功しました。
もちろん私一人で達成した事ではありませんが、成功の要因は何かという所については、ひとつの回答を持っていると信じています。
ということで、これからあわよくば起業したいと考えているけれど、特になんのアイデアも出てこずに一歩が踏み出せない若者に向けて、記事を書いていきます。
もちろんこれを実践したからと言って、100%成功するという保証がある訳ではありませんが、皆さんの想像力の足しになればと思うばかりです。
Contents
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ベンチャーで勝ち残りやすいアイデア・負けやすいアイデア
まず、世の中、『アイデアと言うほどアイデアを出している会社は少ない』というお話をします。
ベンチャー企業というと、『新しい技術を使って、何やら画期的な商品を作って販売する会社』というイメージが強いと思います。
確かにそういった側面はありますし、難しい技術で誰も見たことがないような商品を作っている会社だって沢山あります。
このあたり、私は次のスマホに代わるアイテムとして、『スマートグラス』の開発をぜひ応援したい所なのですが。
でも、ベンチャー企業だからといって、そういった会社ばかりではないんです。
規模の小さい会社がやっている商品アイデア
ベンチャー企業は基本的に資本が少ない事が多く、ベンチャーキャピタルなどから高額の投資をされるような事でもなければ、使える資源は限られています。
ということは、大企業がやっているほど商品・サービスに人材を投下できませんし、長い調査・研究もできませんし、開発期間だって短いわけです。
こういった状況で、誰も見たことがないような、画期的な商品・サービスを開発するというのは、そもそもかなり難易度の高いことです。
そりゃそうですよね。同じ事をしたら、資金の大きい会社の方が強いんです。
もし、莫大な富を生むような市場があったとして。
大きな会社の方がお金も人材も抱えているのだから、全く同じ所から事業をスタートさせたとしても、大きな会社の方が早く商品を完成させられるし、ブランドがあるから顧客層に浸透しやすいわけです。
これはすごく基本的なことで、一朝一夕で何かが変わる訳ではありません。
では、規模の小さいベンチャー企業は、どういった場所で富を生んでいるのか。
それは、『大企業が入り込むには市場規模が小さすぎる場所で利益を得る』ということです。
ここで、『商品の引き算』という考え方が有効に働きます。
たとえば同じ顧客管理システムを売り出すとしたなら、総合的に使える顧客管理システムなんて、世の中には沢山あるわけです。
既に市場に売り出されていていて、一定の顧客がついている所に、オセロゲームのように白を黒に変えるつもりで同じジャンルの商品を売り出すというのは、成功する可能性が低いです。
でも、それではたとえば『病院の予約を管理するための顧客管理システム』だとしたら、どうでしょう。
これも色々な種類があることは承知の上ですが、単なる『顧客管理システム』よりは販売層が限定されそうです。
ここに、ひとつのからくりがあります。
つまり消費には、『顧客層が限定されるほど絞り込むことで、逆に買ってもらいやすくなる』という側面があります。
あえて自分から市場を限定することです。
売れたら徹底的に『1つの分野』を追求する
そのような姿勢で商品開発をしていくと、どこかで売れる商品が少しずつ現れます。
今度は、その売れ始めた商品を追求して、より『限定された顧客層にリピートされるよう』作り込むというのが大事です。
『同じ商品だったら○○使ってれば良いよね』とは言い切れないものを、より突き抜けた装備に仕立て上げることです。
実は、その限定された顧客層のために開発をするほど、大企業は小回りの効く組織ではありません。
大企業というのは元々、資本が大きく従業員も圧倒的です。
でもそれは逆に言うと、『それだけの人数を抱え込めるほど資金を生み出せる商品でなければ、事業が成立しない』という側面があります。
だから、しにくいんですよ。特定の顧客のために、突き抜けてひとつの装備を最適化するということは。
ここがすごく大事です。
その一方で、資金力が同じ位の会社は、そこに参入してくる可能性があります。
そうしたら、今度は参入してくる会社の商品の差別化点を、徹底的に吸収するのが有利に働きます。
引き算の次は足し算です。自分達がその顧客層ではトップを走っている訳ですから、よりブランド力を高められるというわけです。
これをやることで、商品の顔はどんどん良くなっていきます。
つまり、ベンチャー企業だからといって、『誰も見たことがないような商品アイデア』を生み出す必要はないということなんですよ。
むしろ、最初はパクリでも良いくらいです。そこから派生して特徴的な商品になるから、ベンチャー企業という扱いを受けるので。
より実践的なベンチャーアイデア
さて、前項までの内容で、『実はそんなに難しいアイデアを出さなくて良いんだ』ということが伝わっていれば幸いです。
自分達で始めるビジネスは、最初は大きな会社を真似していてもよく、ただしそこから『商品の引き算』をしていくことで、個性的なものが生まれる、というお話でした。
ただ、それだけでは『実際に始めよう』という所までは行かないと思いますので、ここからはより『起業したい若者』に向けて、アイデアを提供できればと思います。
最初はできるだけ、お金のかからないものを選ぶ
会社というのは、何かとお金がかかります。
人を雇えば人件費が発生しますし、商品を開発すれば開発費がかかります。それを売るためには広告宣伝費がかかりますし、利益が出れば税金がかかります。
そんな環境下ですから、『なるべくお金がかからない所から始める』というのは、とてもとても重要なことです。
なお、昔はこういった間口がもっと狭かったので、どうしても銀行からお金を借りて、一世一代の大勝負をしなければならない時代でした。
でも、今はそうではないんですよね。
たとえばシステムひとつ取っても、システム開発に必要なものは低価格で手に入りますし、ソフトウェアなどは共有されていて、インターネット上に落ちています。
つまり、インターネットから手に入れられるものであれば、個人で作れるものの幅というのは飛躍的に大きくなっているんです。
これを利用しない手はないと私は考えますが、いかがでしょうか。
最初はなるべく一人でもやれる所から始めて、初期投資の少ないものから始めて、それが伸びそうであれば、徐々にコストをかけて拡大していく方向を選ぶ。
こうするだけでも、リスクはかなり抑えていく事ができます。
最初は副業・フリーランスから始めてもいい
たとえば今の段階で東大を卒業していたり、海外留学でハーバードに行き、学もお金も人脈も有り余るほどあって、投資もジャンジャン受けられますよ!
……こんな状況だったら、もうどんどん大きな事にチャレンジして頂ければ良いと思います。
でも、そうではない人の方がずっと多いですよね。
どちらかと言えば、あまり有名ではない大学、もしくは専門学校かなんなら高卒で、フリーターなのか会社員なのかで給料もそこまで貰えていない。
そんな状況から一念発起して起業家を目指す人の方が、多いのではないでしょうか。
資金のない我々にとって、銀行からお金を借りて事業を始めるというのは、相当なリスクです。
経営について勉強した訳ではありませんし、なんなら起業のアイデアが見つからなくて、インターネットで検索をかけるような状態です。
だから、最初は『副業』といったような、小規模なものから始めても良いと私は考えています。
副業というのはハードルが低いように思えますが、実は『起業そのもの』です。
それが大きくなれば株式会社を設立することができますし、お金が入れば行動力が高まります。
なるべく、死なない所で頑張った方が良いと思うんです。
銀行から信用を失ってしまえば、再度起業することはずっと難しくなりますし、それはどんどん『起業』からは遠ざかってしまいます。
つまり、『銀行からお金を借りて起業し、失敗したら(起業家としては)死ぬ』ということです。
そんなに大きなチャレンジを、資金が無く人脈も無く、アイデアすら無いという状態で始めるべきでしょうか(もちろん、それらを持っているなら全然OKです)。
死なない所で戦う。これは大事な観点です。
できるだけノーリスク、取ってもローリスクを目指していきましょう。
ベンチャー企業だからって、必ずアイデアが必要とは限らない
ということで、ベンチャー企業で勝ちやすいアイデアの話をしてきました。
まとめると、以下のような結論になります。
- 最初はパクリでも構わない
- 少しでも売れたら一芸に徹するべき
- できるだけリスクの少ない所から始められるものを選ぶ
これらを抑えると、勝ちやすいアイデアに。逆に、これらの逆を行けば負けやすいアイデアになるというのが、私の結論です。
私も小さな会社で働いていますから、経営の事に首を突っ込んで来ましたが、わりと信頼性のある情報だと感じています。
この社会にどんなものがあったら良いか、そこを目指すとしてどこから始めたら良いか。
そんな事を思い付く手助けになっていれば幸いです。