今学生なんだけど、新卒でベンチャー企業に入るのってどうなんかな。
挑戦した人がいるなら、感想なんかがあったら聞きたいな。
あと、新卒でベンチャーを目指す場合に気を付けておきたい事なんかがあったら教えてほしい。
第二新卒で入ったベンチャー企業は倒産寸前でした。そんな疑問を解決します。
学生の身からすると、就職ってけっこう困りますよね。まだ会社員として仕事をしたことはないから、何が良いのかは正直そこまで見えていない。でも自分で選択しなければいけない。
その中で、ベンチャー企業ってどうなんだろうと思う方もいるのではないでしょうか。
就職先がいくらでも選べる高学歴の方は良いとしても、全員が全員そうではないでしょう。
行き先不安な中、今後の進路をどう決めようか悩んでいる人もいるはず。
ということでこの記事では、『新卒ベンチャーアリかナシか』を答えた上で、実際の体験談を含めて、新卒から無名のベンチャーに入るとどんな事が待っているのか、という実際の所について語っていければと思います。
ここに書かれていることは、いち体験談に過ぎませんが、皆さんの検討材料のひとつにでもなれば幸いです。
それでは、さっそく本編に進みましょう。
Contents
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新卒で無名のベンチャー企業に入るのはアリかナシか【体験談】
結論から言うと、私はアリに一票を投じたいと考えています。
もちろん、就職先なんて人によって持つ感想が違いますから、最終的には自分で判断しなければいけない訳です。
私が今回そのように感じたのは、世間でよく言われている『ベンチャーは激務』だとか、『体裁が整っていない』とかというのは、『だから就職先として選ぶべきではない』と繋がる理由にはならないと感じているからです。
少なくとも私が入ったベンチャー企業は確かに激務でしたが、それで何かを後悔した事はないです。
なので、これから就職先を選ぶ立場にいる方は、よく考えた上で決めたなら、無名のベンチャーに入るという選択をしても愚かではないと思うんですね。
激務の先に待っているもの
もちろん、精神衛生上良くないレベルで働いていたり、残業があまりに厳しくて生活を害してしまっている場合は別ですよ。
でも、『ベンチャー企業は薄給のわりに激務だから悪い』というのは、少し違うと考えています。
ベンチャー企業は、起業に至るためのノウハウを学べる場所です。それは間違いない。
きちんと取り組んでいれば、どのような内容であっても結果は付いてきます。
……と話すと、「そんなに起業したいんだったら、ベンチャーなんか入ってないで、さっさと起業したら良いじゃないか」という意見もあると思います。
でも、起業というのは多くの場合、資金的なリスクを冒すものです。
たとえ0円で始められるビジネスだったとしても、その間の人件費は掛かるわけで、自分の人件費を自分で稼げていない以上は常にリスクが付きまといます。
独身で若ければまだどうにかなりますが、家庭があるともうそれだけでアウトです。
妻と子供が待っている。では、成功した起業の形を見てから起業するのと、まったくゼロから起業するの、どちらがよいか。
こういう事なんです。
ベンチャーは個人の目から見ると、このあたりの問題を解決してくれるんですよ。
つまり、資金的なリスクを冒さずに、起業に近い立場で仕事を大きくするノウハウを学ぶことができます。
もちろん、起業に近い立場で仕事をするので、相応に激務が待っています。
でも、激務の先に自分を鍛えていって得られるものは、『ネームバリューがなくても、どんな環境でも仕事を手に入れて生きていける自分』です。
これは、変化の激しい現代では貴重なスキルだと、私は思います。
ベンチャーが環境的に向いていない人
一方で、ベンチャーが環境的に向いていない人もいます。
まず、なんと言っても『物事を他責にする人』です。これは、明らかに向いていないです。
正直ベンチャーは周囲が問題だらけなので、改善策を考えて最速で行動できる人だけが生き残れる世界です。
何かしら理由を付けて行動できない人、問題だらけなのが社内にいる誰かのせいだと勘違いしている人は、結局入社しても、どこかで会社を去っていきます。
もしこういったマインドを抱えてしまいそうであれば、素直に環境が整っている場所に行ったほうが、ストレスなく仕事ができる可能性が高いです。
起業して失敗することを他責にはできないですから。
なんて話をするのは、『いかにも他責にしたくなる要素』が沢山転がっているんですよ、ベンチャーって。
全員が全員、やる気があって行動力もある人ばかりではないですから、口では良いことを言うけど、実際は立ちすくむばかりで何もできない人だっています。
そして、そういうタイプの人が立っているポジションは、うまく仕事が回らなくなってしまいます。
これが、人数が多ければ周囲の人がカバーすることで仕事になる場合もありますが、たいてい人数は少ないので、機能していない部分はいつまでも機能していないままです。
でも、『起業のデモンストレーション』という目線で見ると、そういった人たちを動けるようにするのは自分です。
こう考えられる人なら、きっとベンチャーは環境的に向いていると思います。自分の仕事がどれだけ忙しくても、俯瞰して会社が有利になるよう進められる人ですね。
一方で、『自分の仕事の範囲はこれだけで、他の誰がミスをしようが知った事じゃない』と思う人。つまり社内の問題が他責だと感じてしまうタイプの人は、ベンチャーに入ると苦労することが多い印象です。
私はそういったタイプの人が、何人も会社を辞めていくのを見てきました。
新卒でベンチャーを目指す時に気を付けてほしいこと
ここまでわりとベンチャーを目指す事について肯定的に書いてきましたが、あまり誤解がないように言っておくと、今書いたような事ってほとんどの人にとっては『実現が難しいこと』だと感じています。
起業を目指して自分が全責任を負っていく事を想定した場合に、これより良い学習環境はないと言っている訳です。
それは一方で、『起業を目指すにも関わらず、会社員になって上司から仕事を貰う』という矛盾を受け入れる事でもあります。
ベンチャーだからといって、なんでもかんでも自由にやれる訳ではありません。
ということで、新卒でベンチャーを目指すなら気を付けていて頂きたい事もあります。
ベンチャーだけが起業の道じゃない
今学生で、とくに仕事をしたことがないという状態だと、あたかも『起業したければベンチャー』だと感じてしまう事があるかもしれません。
でも、どちらかと言えばベンチャーは海賊の集まりであり、資本主義というルール上は不利な存在です(投資されている場合を除きます)。
できることなら、『技術と知識を持っている人を集めて、資金を投資してくれる人がいる状態で自分がビジネスアイデアを出す』方が、資金の少ない状態で始めるよりも有利ですよね。
こう考えると、ベンチャーよりも名の知れた大きな企業に行って、豊富な人脈の中からスキルのある優秀な人を探していく方が理にかなっています。
ベンチャーには、驚くほど『豊富な人脈』がありません。時間がかかるんですよね。
また、最もリスクの少ない起業のルートは『個人で実行可能で、借金を背負うリスクがなく、少額から始められるビジネスを探すこと』であり、これもベンチャーとはあまり関係がありません。
こういった目線で見ていくと、実は起業に至るまでには様々なルートがあり、『ベンチャー企業』はその一角でしかない事が分かります。
ベンチャー企業は人数が少ないので、直接社長と対談できる機会が多かったり、ビジネスの全貌を把握しやすいといったメリットがあります。これをどう活用するかです。
資本主義は資金がある方が有利
もうひとつ、大前提の絶対原則として、『資本主義である以上、ビジネスはお金がある方が有利』という側面があるので、これも語っておきます。
ベンチャーには多くの場合資金がなく、あってもどこかから投資されているお金なことがほとんどで、余裕がありません。
お金があれば、人を雇う事もでき、技術に投資することができ、資産運用をする事もできます。これらがすべて、満足にはできない事がほとんどです。
そうすると、お金を増やす手段が限られている事になりますよね。
お金があるほど、お金を増やすことができる。その実のところは、こういった側面があるからです。
ベンチャー企業というのは、お金も名誉もない状況から、いかにしてお金と名誉を掴むかという戦いなので、ずっと逆境的な要素が強くなります。
『不利な所に張る』つまり『逆張り』が得意なタイプでなければ、中々これで利益を出すのは難しいです。
そして、逆張りというのは『ルール上、人が手を出すのが怖い場所にベットを張る』ということなので、積極的にリスクのある仕事をしていく人の方が評価されます。
銀行からお金を借りて、会社を経営する。これって普通の人からすれば、かなり怖い事ですよね。
逆境に強いスポ根的な要素がないと、中々ここまで振り切った覚悟をするのは難しいです。
自分の『ネームバリュー』を高めよう
大手の会社に入った方が、会社のネームバリューを使えるので、人間的な扱いをされる事が多くなります。
逆に言うと、どこの会社とも分からないような場所で一生懸命仕事をしても、苦労のわりに自分が小馬鹿にされて終わる事が多いです。
このように、『ネームバリュー』というのは人の評価でさえも変えてしまいます。
でも、私はベンチャーに入ることで、自分のネームバリューを高め続けています。
なぜなら、会社のネームバリューに守られない代わり、自分自身のネームバリューを色眼鏡をかけずに評価させる事ができるからです。
『○○会社の××さん』ではなくて、『○○会社といえば××さん』に変える事ができるんですよね。
これは、企業と社員の力関係が圧倒的に違う大手では、あまり起こらない現象です。
ベンチャー企業がノーブランドなのは、何も悪い事ばかりではないということです。
『○○会社といえば××さん』と思われるようになった時、これは真の威力を発揮します。
「今の会社に飽きたらウチに来てくださいね!」と言われるようになったら、もうどこでもやっていく準備はできています。そうなるように、ネームバリューを高めていきましょう。
新卒の今、『ベンチャーに行く』という判断について
ということで、賛否両論ありそうな『新卒×ベンチャー』という問題について、1意見として語っていきました。
なるべく『ベンチャー良い・悪い』という極端な意見にならないように注意して書きましたので、これを読んでいる方の判断の足しになれば幸いです。
いずれにしても、自分の判断に自信を持って頂きたいですね。
もしそれが失敗したとしても、なるべく「あの時の自分は確かにこう考えていた」「それが結果として、失敗に終わった」という事実だけを客観視して頂きたいものです。
私にしても、新卒の時って分からない事が多かったなと思いますし、自分が思っているよりも会社というのは様々な形を取っていましたし、世界は広いです。
失敗を悪だとしてしまうと、こういった現実を前にした時、戦う力が無くなってしまう気がして。
私は、成功と失敗の間に差はないと考えています。それが結果的に、人から認められたか、そうではなかったか、というだけだと。
新卒×ベンチャーだって、ひとつの大きな挑戦ですよ。もしそうありたいと思うなら、私はそれで良いと思います。
私だって、第二新卒でベンチャーに行っていなければ、今の自分は居ませんでしたから。
現場からは以上です。