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ベンチャーのステージと初期段階から関わる事の重要性【転職者向け】

ジョージ

どうやら、ベンチャー企業にはステージとやらがあるらしい。
ベンチャーの転職先を探しているんだけど、これは何か影響があるのかな……?
どの段階から入るのがベスト、という事はある?



とあるベンチャー企業でシステム開発をやっています。



ベンチャー企業に触れた方であれば、「ベンチャー企業にはステージがある」という話を知っている方も多いです。

でもステージについて知ったからといって、『どの段階から関わるとどうなるのか』というのは、入った事が無ければ把握は難しいですよね。


この記事では、ベンチャーの成長に関わった身として、ステージごとのリスクとリターンについて解説していきます。

今創業したばかりの会社に誘われているという方や、ベンチャー企業に転職しようとしている方の参考になれば幸いです。

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ベンチャーのステージと初期段階から関わる事の重要性【転職者向け】

まず、ベンチャー企業に関わってキャリアアップをするのが目的という方や、給料を劇的に上げたいと考えている方。

この場合、『ステージが若いほどリスクも高く、リターンも高い』という事を覚えておいて頂きたいと思います。

同じベンチャー企業であっても、既に黒字化していて事業が安定しており、作業がルーチンワークと化している会社に入ると、あまり今の状況と変わらない事になるかもしれません。


ベンチャーには、『創設期・成長期を戦ったオリジナルメンバー』と『それ以降のメンバー』で、待遇が大幅に変わる事があります。

リスクのある時期に一緒に戦ってくれたメンバーほど、価値が高いというわけです。

シードステージ

『シードステージ』というのは、創業前の段階です。

まだ事業の企画を作っている段階で、商品・サービスが完成している訳ではありません。

言わば、作戦を練っている状態ということです。

まだ投資を受けるという段階でもないので、会社が設立される時も自己資金で始める事が多いです。


この段階でメンバーに入った場合は、間違いなくオリジナルメンバーとしての道を歩む事になります。

うまく会社が設立できたとしても、そこから先、事業を安定させるための道は険しく遠く、何度も資金が立ち行かない恐怖を味わう事になるかもしれません。


元から起業を人生の目的としているか専門的なスキルを持つ人で、良いアイデアと仲間に巡り会えたなら、この段階で参加できるチャンスが生まれます。

アーリーステージ

商品・サービスが完成し、会社も立ち上げられます。ここから、事業利益を獲得するまでの長い道のりがアーリーステージです。

利益は出ていないのに、人件費や経費、商品の強化に投資しなければならなくなったりと、何かとお金がかかります。

一般的には設立後5年程度と言われていますが、その前に倒産してしまうこともあります。

ベンチャーキャピタルなどから投資を受けられると、価値が急増する事もあります。


シードステージよりは現実味がありますが、この段階で入る時は社員に余裕がありません。

会社にとって使えないと判断されてしまうとすぐに放り出される事も多く、人が入っては辞め、という連鎖が続く事もあります。

赤字経営のスタートアップ時期であるこのタイミングだからこそ、ベンチャーとしてのやりがいがあるとも言えます。第二のオリジナルメンバーです。

役員まで上がれるかは会社次第ですが、うまく黒字化できた時には、相応の立場が待っている可能性が高いです。

ミドル(エキスパンション)ステージ

製品が広く認知されていく時期です。

シード・アーリーステージの企業と比べると、倒産のリスクがかなり下がってくるのが特徴です。

顧客もこの辺りから段階的に増えていきます。BtoB製品などでは、初期から利用してくれた顧客企業から一気に拡散される事もあります。

資金調達も次第に楽になっていき、会社の評価も上がっていきます。


会社は安定し、とにかく人手が足りない状況に陥りがちです。

そのため従業員は一気に増えますが、この段階で増えた従業員は明らかにオリジナルメンバーと区別されている事があり、リターンも減っていきます。

レイターステージ

完全に事業が安定し、黒字化する所まで行くと、急激に作業の効率化が進みます。

この段階では、もう属人的な作業というのは無くなっているのが理想です。

従業員はなるべくぴったりの人数で回るように調整し、さらなる拡大に向けて新規事業を展開していきます。

利益もどんどん増えていくので、社内の安心感も相当に変わって来ます。


この段階では倒産のリスクも低くなっていますし、リスクが無い代わり、リターンもあまり得られない状態になっています。

新規事業拡大のメンバーになれればまだ良いですが、既存事業の保守・サポートに回るようだと、ベンチャーとしての挑戦という面白さはあまり感じられないでしょう。

ベンチャー企業、どのステージで参加するのが理想か?

このように、ベンチャー企業は『ステージが若いほどリスクが高く、リターンが大きい』という仕組みになっています。

もし、『ベンチャーに挑戦してビジネスマンとして成長したい』という想いがあるのなら、なるべく若いステージで参加しないと、求めている要素は得られないかもしれません。


でも、だからといってシードステージから参加すれば良いのかというと、少し躊躇してしまう方も居るかと思います。

そんな方には、たとえば『アーリーステージの企業』を探すようにすると、丁度いい事があります。

0か100かを選ぶ必要はない

なんとなくここまでの記事を読んで、ベンチャー企業に転職しようと考えている方は、こう思うのではないでしょうか。


「やっぱり、創業前のアイデアを出す所からやらないといけないのか……」


実は私も昔、そういう考えを持っていたのですが、結論から言うと『アーリーステージ参戦』というのも個人として大きく成長できる余地を秘めているし、挑戦する価値があると思います。

もちろん、個人の求める要素によっては、ミドルステージやレイターステージからの参加も大いにありです。

なので、その点について話していきますね。


たとえばアーリーステージは、もう会社は設立されていて、企業の商品をこれから売っていきたい、けどまだ全然体裁も整っていないし大変、という状態です。

ということは、営業もまだ、製品も完全ではなく、売った後のサポート体制などもこれから本格的に始める、という状態なんです。

確かに、『事業のアイデアを出してやっていきたい』と思う方にとっては、これは都合が良くないかもしれません。

でも、そう思う方って既にビジネスアイデアを持っている方で、どちらかと言えば『ベンチャーに転職したい』よりも、『起業して、この価値を世の中に提供したい』と考えている方が多いのではないでしょうか。

この場合、ベンチャーへの転職というのは、そこまで視野に入らないはずです。

つまりベンチャーを志す人って、『画期的な商品のアイデアは今のところ特に持っていないが、ビジネスマンとして会社の設立・成長に貢献したい』という思いを持った人が多いのではないかと思うんですよね。

それなら、アーリーステージ以降の参戦でも、わりと目的が達成される事が多いです。

まったく仕事は楽じゃない

ここまで話すと、中には「でも、会社を設立するまでが大変で、そこから先はそんなに変わらないんじゃないか」と思う方も居ると思います。

しかし、実際にアーリーステージ参戦を経験した立場から言うと、めちゃくちゃやる事多いです。

少なくとも、分業は全くできない状態ですね。分業するどころか、その仕事について誰も知らない、できないという人がぞろりと揃うイメージです。

というのも、お互いに全く別の仕事をしているので、相手の事について関われるような時間の猶予がない事もあるんですよ。


自分の得意な分野以外のこともやっていかなければならないので、仕事は全く楽ではないし、新しく覚える事も多いです。

自然と激務になります。



ただ、この働き方は「家族もいるし、プライベートな時間も大切にしたいな」と思う方には本当に向かないので、それはお話しておきます。

事業が軌道に乗るまでって、製品も未熟な事が多いし、やることばかりなので、その気になればいくらでも会社に居られる状態なんですよね。

社内の空気的にも『特に用事がないなら定時で帰るな』的な空気が流れている事もあったので、その点は注意かなと思います。

ミドル・レイターステージからの参入はダメなのか?

ここで、「ミドルステージ以降はどうなんだ」と思う方も居ると思うので補足しておくと、全然ダメではないです。

少なくとも、企業のかたちが日々変わっていく勢いは感じられますし、仕事の内容も変わっていくので、退屈はしないでしょう。


でもやっぱり、どうしてもオリジナルメンバーとの扱いの差は出てきてしまいます。

ここだけは注意が必要ですね。


『厳しい時に一緒に戦った仲間』と、『事業が形になってから関わった仲間』では、評価の基準が変わってきてしまう傾向にあるんですよね。

そういった境目のない、個人の成果を正当に評価できる企業なのであれば、これは全然ありだなとは思うのですが。


私もこういった側面を経験していますし、やっぱり自分が創業者の立場だったとしてもですね、利益が出始めてからのメンバーと赤字の段階のメンバーでは、ある程度区別して見てしまうと思うんですよね。

なので、特にキャリアアップを目指す場合は、軌道に乗るまでの評価基準と乗ってからの評価基準というのは違うんだと意識しておくのは、有利に働くのかなと。

ベンチャーのステージを理由にして『遠慮する』という選択肢はない

最後に、ベンチャーのステージについて色々お話してきましたが、これらを理由になんとなくハードルが高く感じてしまう方には『遠慮する必要はないよ』とだけ補足しておきます。

自分がやりたい仕事をやるのが一番で、そこに行きたいと感じている要素があるなら、たとえ将来的に起業を目指していて、転職先がミドル・レイターステージであったとしても、その転職を妨げるものではないです。

仕事って、最終的には自分が満足できるかどうかですからね。

無理をしてシード・アーリーステージの段階から関わって、結果として仕事が楽しくなくなってしまったり、体を壊してしまったりという事があると、そちらの方が問題になります。

あくまで『ベンチャーのステージ』は補足的な情報として捉えて、事業内容やその会社にいるメンバーに目を向けると、転職で成功する確率は高いのではないでしょうか。


納得できる形を探すのが一番ですね。

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