小説を書いて公開してみたいけれど、文章でツッコミ受けたらどうしよう……
そんなお悩みに答えるべく、文章作法の基本をゴリッと1ページにまとめて書いていこうと思います。
これを通して読めば、少なくとも文章作法に関する事で何か言われる事は早々無いはずです(筆者が受けていないので)。
見やすくするために、カテゴリ別に分けてみました。
特に駆け出しの頃は、こんな疑問を持つことがあります。
別に読めればよくない?
その疑問にお答えします。
別にいいです!
……なんて言うと一部の方から反感を買いそうなので、ここまでは言えませんが。
正直、言葉のルールなんて今現在も刻一刻と変わっているので、誰も気にならない内容であれば良し、という話だと思います。昭和生まれの人と平成生まれの人でさえ、既に言葉遣いって結構違いますし。
それはそうなんですが、より多くの方に読まれるのであれば、読まれる際にストレスが無い方が良いですよね。
なので、最低限のルールは守っておくのをおすすめします。別に守っても得はしませんが、損しない事が大きいです。
Contents
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一般的なルール
三点リーダ(…)とダッシュ(―)は2つ繋げる
文章でよく使われる空白表現ですが、『…』というのを三点リーダと言いまして、これを2つ繋げて『……』のようにして使うのが一般的です。
同じく、余韻を持たせる時などに利用されるダッシュ(―)も2つ繋げて『――』として使います。
長い沈黙を表現する時などは4個にして使うのがわりとベターです。
場面転換で改行を使う
明らかに語っている内容が変わる時やシーンの境目など、ちょうど演劇で言うと暗転するようなタイミングでは改行を1つ多く挟み、転換を明示します。
最近では、場面転換の時に記号を挟んでより分かりやすくするケースも増えてきましたね。
縦書きは漢数字、横書きは算用数字を使う
漢数字というのは、『一、二、三……』のことです。
算用数字というのは、『1, 2, 3……』のことです。
印刷する場合は縦書きが多いので漢数字、Web小説などでは横書きなので算用数字を使う事が多いでしょうか。
しかし、Web小説も将来出版することを考える場合などに、漢数字を利用することがあります。そういえば私の小説もずっと漢数字でした。
なので、Web小説の場合は基本的にどちらでも大丈夫なものですが、漢数字と算用数字を混ぜて書くのは避けた方が無難です。
連続した接続詞を避ける
○○の○○の○○の……と続くと、読みづらさのある文章になってしまいます。
どうしても避けられない場合は仕方がないですが、なるべく避けて書くようにしましょう。
(例)
×駅の近くのスーパーの雑誌が置いてある棚のファッション誌を手に取った。
○駅の近くにあるスーパーに入り、雑誌が置いてある棚のファッション誌を手に取った。
わりと表現次第で逃げられる場合が多いです。
地の文についてのルール
文頭は全角空白を1つ入れる
すべての基本です。ブログなどではあまり使われませんが、小説では文字の量が多いので、これがないと読みづらいです。
……と言いつつ、Web小説の世界では改行を多めに入れる事が多いため、実は空けなくても読みやすい事もありますが、一応空けておきましょう。
全角空白で空けるのがルールです。半角では駄目。
文末は句点もしくは『!』『?』などで終わる
Webで書いているとたまに読点(、)で改行している方を見かけますが、一応ルール上は句点(。)で終えるのが正解です。
実はこれ、過去に実験してみた事がありまして。
というのも、『Web小説の世界では横書きで、しかも改行を多めに挟む事が多いので、別に読点で終わっても良いんじゃない?』と思ったからです。
あえて読点で終え、文章のルールを崩してみた結果……気にされる方がいましたので、今はなるべく句点で終えるようにしています。
感嘆符と疑問符に関しては、2つ重ねて使う二重感嘆符(!!)や、感嘆符と疑問符を組み合わせて使う(!?)などもあります。
私の場合はWordなど、縦書きの場合は半角で使う事が多いですが、Web小説の場合は少し崩して、全角で書いちゃってます。昔は半角で書いていましたが、横読みだと読みづらいなと思い。
『!』『?』のあとは、全角空白を入れる
感嘆符や疑問符を地の文で使った後に改行しない場合は、全角空白を入れてから次の文章を開始するようにしましょう。
句点(。)の時は入れないので、ご注意ください。もちろん、改行で終える場合は空白を入れなくても大丈夫です。
二重感嘆符を書く場合には、『!!』までを繋げて、その先で空白を入れるイメージです。
(例)
×「全角空白を入れる。全角空白を入れる!全角空白を入れる?」
○「全角空白を入れる。全角空白を入れる! 全角空白を入れる?」
会話文についてのルール
会話文の時は文頭に空白を入れない
「」で始まり終わる会話文ですが、この場合には文頭に全角空白を入れないのがルールです。ややこしいですね!
地の文の時は空ける、カッコの時は空けないと覚えておくと、分かりやすくて良いかと思います。
(例)
× 「カギカッコの時は空白を入れない」
○「カギカッコの時は空白を入れない」
会話の中の会話には、二重鉤括弧(『』)を用いる
たまに、会話の中に会話を入れたい時ってありますよね。
(例)
「最近小説の執筆を始めたんだけど、前から小説書いてた先輩が『会話の中の会話にはフタヘカギを用いる』とか言ってて、いやー全然わけわかんなかったよ」
こんな感じで使います。あ、ふたえかぎというのは二重鉤括弧(『』)の事です。
引用の意味でも使う事があります。
『昭和21(1946)年3月・文部省教科書局調査課国語調査室』では、以下のように記されています。
1.カギは、対話・引用語・題目、その他、特に他の文と分けたいと思ふ語句に用ひる。これにフタヘカギを用ひることもある。
2.カギの中にさらにカギを用ひたい場合は、フタヘカギを用ひる。
出典:『くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)』
ということで、鉤括弧と二重鉤括弧の使い分けは明確でない部分もあるので、私は普通の鉤括弧と分けたい時など、ある程度自由に使っております。
会話文の終了時には句点を入れない(任意)
学校の教科書などでは、鉤括弧の終わりに句点を挟む事があります。
(例)
「いやー、ライトノベルと教科書って全然書き方違うよな。」
この、最後の『。」』の部分ですね。
これを省略するのがわりと一般的な小説で、以下のように書きます。
(例2)
「いやー、ライトノベルと教科書って全然書き方違うよな」
ですが、こうするのがどちらかと言えば現在一般的というくらいの話なので、こうしましょう! という決まりのあるものではないです。しっくりくる方で大丈夫です。
そういえば、スーパーファミコン時代のRPGは解像度が低いので、表示できる文字数に結構制限があったんですよ。
その時代のRPGって、表示される会話文の最後の鉤括弧が抜けて『「今日はいい天気』みたいになっているの、ご存知でしたか?
表示できる文字数を一文字でも多くするためらしいですよ。すげえ。
まとめ:作法にとらわれすぎず、最善の表現を
今回ご紹介した文章作法は、以下となります。
- 三点リーダ(…)とダッシュ(―)は2つ繋げる
- 場面転換で改行を使う
- 縦書きは漢数字、横書きは算用数字を使う
- 連続した接続詞を避ける
- 文頭は全角空白を1つ入れる
- 文末は句点もしくは『!?』などで終わる
- 『!』『?』のあとは、全角空白を入れる
- 会話文の時は文頭に空白を入れない
- 会話の中の会話には、二重鉤括弧(『』)を用いる
- 会話文の終了時には句点を入れない(任意)
中には必ず従う必要はない項目なども含まれますが、何かの参考になれば幸いです。
なんと言っても小説は中身ですから、中身を面白くする事に努力してまいりましょう!